BSアニメ夜話 ほしのこえ

岡田斗司夫斉藤環セカイ系について講義していた。まあNHKでギャルゲーの説明しなきゃなんなかったり、司会者はいろいろ大変ですよね。一人でもアニメが作れるというメディア論と、作品論がごっちゃになってたような。
ほしのこえ、あらためて見ると、神作画級の背景に、妙に崩れたキャラの顔が異様なミスマッチ感を醸し出していた。もしかしてキャラデザも無理して狙ってたのか。
映画自体は、たしかに「メールを待つ間のもどかしさ」のことしか言ってない。恋人未満の間の空気とか、言いたいけど言えないこと、言わないけど伝わること、伝わらないこと、そういった微妙な感情の起伏を表現するために美しい背景とか、宇宙戦争とかもってきたりする。感情表現の演出のための手段として、夕焼け雲も地球侵略の異星人も等価である。今この瞬間に心を支配している感情のために全ての表現が奉仕する、そういう映画だった。
しかし、新海誠エヴァを見てないというのはにわかに信じがたいんですけれども。まあテレビアニメ的に安定した構図を拒否した庵野監督と、これまでのアニメの文脈と無縁な新海監督とが、アニメファン的な目には似て見えたという可能性もあるとは思う。