ゲド戦記

一応ネタバレありです。わりと好意的な評、のつもりです。
見てきました。面白いじゃない。目新しさはないけど。つーか、どう見ても宮崎アニメです。本当に(ry だけど。キャラもウサギとかテナーとかまるっきし宮崎キャラだし。さらわれた女の子を助けるために男の子がどんどん走ってって、高いとこ高いとこ上ってって、最後は空を飛ぶ。宮崎アニメのエッセンスじゃないですか。「On Your Mark」なんてそのまんまでしょ。まあ、碇シンジ君を主人公に引っ張ってきて東宝時代の宮崎アニメを目指してみましたという感じ。冒頭父殺しから入ったのは意外だったけど、殺してないじゃん。
なんかネットで叩かれてたみたいだけど、ル・グィンの原作を妙に平板にしちゃったからというより、声優の演技のせいじゃなかったのかなあ。テナーはキャラと声の違和感が最後まで拭えなかったし、テルーもどうも説得力がなかった。テルーは冒頭で噛まれて落ちた竜なわけだから、最後に正体を現したときに客がポカーンとしちゃったら、そりゃやっぱり説得力がなかったんだよ。
雲とか火、水とか、アニメ表現の限界に挑んできたジブリアニメだったけど、今回はちょっと記号化の度合いを戻して多少アニメ的表現に戻したみたい。CGと競ってもしょうがない、ってことなのかなあ。アレンとかテールの髪が風で揺れる揺れ方がいかにもアニメ的で気になった。前からこんな感じだったっけ。でもジブリお家芸の草揺れは健在でした。アレンが影に追いかけられて沼地に追い込まれてくシーン。不吉な風に揺れる水辺の草が素晴らしい。
あとは、テルーが劇中で唄を歌うシーン。口の形を歌詞に合わせて動かしてましたね。ハルヒには負けてらんないってとこですか。
しかしジブリアニメって、紅の使い方が特徴的なんだなあ。くすんだピンクとか、赤褐色と茶色の間くらいのちょっと赤っぽい色とか。