コニー・ウィリス「ドゥームズデイ・ブック」

ドゥームズデイ・ブック(下) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-5)
読み始めたら止まらないんだけれど、なんせ500ページ超の分厚い文庫が上下二冊あるので要注意。
感想書こうとしたら、言いたいことはみんな大森望にあとがきで書かれちゃってるし。
実際、同じ作者の「航路」と「届かないメッセージ」というモチーフがかぶってるんだけど、こちらは特に前半、すれ違いのドタバタが強調されてほとんどシチュエーションコメディになってる。たしかに、三谷幸喜だったら三分の一くらいまで縮めて、コメディにするだろうなあ。で、最後に泣かせる。
でもそれはこれがムダに長過ぎるとかそういうことでは全然なくって、その分量が十四世紀のイングランド、それも田舎の小さな村の日常描写に圧倒的な説得力を与えてる。老若男女、おじさんおばさんからかわいい女の子男の子まで魅力的なキャラを取り揃えてるので、幅広くニーズにお応えできる戦闘力もそなえてます。