- 作者:瀬名 秀明
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/05/28
- メディア: 文庫
「デカルトの密室」はデカルト的な近代自我のこと。梵我一如とか言ってるネット人格に実存主義で対抗するみたいな話。ポストモダンな記号論とか出てこないのは、やっぱり科学者ってドゥルーズ=ガタリとかキライなの?
章によって話者が交替する一人称小説で、少年が語るときは描写もイキイキするんだけど、大人だと紋切り型でうざったくなる。半分狙ってる風でもあるんだけれど、読みにくいです。
わざわざ「盤の向こうにいるゲームの相手」に「ザ・プレイヤー・オン・ジ・アザー・サイド」とルビ振ってあるのは、エラリー・クイーンの「盤面の敵」The Player on the Other Sideを意識してるんだよね。読んでて思い出すのは「すべてがFになる」だけど。
「八月の博物館」の感想はねこまくら読書日記 - bookグループ
herecy8.hatenablog.com