森見登美彦「夜行」

夜行

夜行

英会話スクールで知り合った男女六人が鞍馬の火祭りを見物に行き、祭りの最中に一人が忽然と消える。それから10年、再び集まった五人がそれぞれ不思議な体験を語り合う。少し不気味な幻想文学。10年間の集大成、と帯にアオリが入ってました。読んでる間は、集大成と言われても「きつねのはなし」路線の怪談か、という感じでしたけど、これって京都の学生のヘンテコな話と表裏になってるのかなあ。リア充が曙光の世界に行って、そうでない者が夜行の世界にいるというような。
物語を悪夢のように思わせるのは、「繰り返し」を効果的に使うのがコツである、というのをどこかで読んだんだけど、この「夜行」も、同じ言葉が繰り返し出て来たり、同じようなパターンが繰り返されたりしていて、悪夢というか、夢か現か曖昧になっていく。夢は薄気味の悪さと、幻惑され魅せられるようなところがあり、不思議な魅力になっている。
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