柳本光晴「響〜小説家になる方法〜」

なにこれやばい。1巻読んで、立て続けに4巻までポチった。すぐ読める電子版万歳、Amazonえらい!5巻ももう出てるけど、電子版はまだなんだ。紙で買うかな。
えっと、「才能」があらゆるものを薙ぎ払ってく話です。主人公は15歳の女子高生、小説を書くためだけに生まれてきたような女の子。ってゆうか、なにこれ、歴戦のテロリストかなんかですか。頭おかしいとか、空気読まないとか、なんかそーゆーのとは全然次元が違う。他人とは全く違う世界を見てる、という感じ。無頼派っていうの?戦前はこういうのもいた、とか文壇の伝説に出てくるけど。ヤな奴というんではない、素直だし可愛いし、誠実で筋通すし。だから無茶苦茶やっても結構愛されキャラ。でも才能と暴力の両刀使いで当たるを幸い殴り倒しまくるって、ホントなにこれ。他に似たようなキャラって無いよなぁと思ったけど、「ミレニアム」の「ドラゴンタトゥーの女」リスベットとか、近いかも。
世界を変えるような傑作小説、とか実物出せないから、周囲の反応とか解説で盛り上げるってのは定跡なんだけど、ちょっと見たことないような強烈なキャラクター造形が、突出した「才能」に説得力を与えてる。彼女の世界はこんなにも独特なんだ、ということを徹底して描写することで、その小説が見せる独自の世界を想像させている。
と、まあ主人公鮎喰響のキャラがすっ飛んでるんでそっちにばかり目がいくけれど、まわりもなかなかいいキャラを揃えてる。脇キャラが主人公の圧倒的な存在感に負けちゃうと、話の構成がワヤヤになっちゃうからね。アブナい奴のふりしたふつーの人とか、ふつーの人のふりしたアブナい奴とか、アブナくなりたいふつーの人とか、色々出てきてしっかり話を転がしてくれる。
まあ、どうこう言うより、まず読んだほうがいいです。小学館サイトに試し読みもあるよ。https://csbs.shogakukan.co.jp/book?book_group_id=9260
響?小説家になる方法?(2) (ビッグコミックス)
響~小説家になる方法~ 3 (BIG COMIC SUPERIOR)
響?小説家になる方法?(4) (ビッグコミックス)