大久保圭「アルテ」

アルテ 6 (ゼノンコミックス)

アルテ 6 (ゼノンコミックス)

16世紀、ルネサンス期のイタリアで画家になりたい貴族のお嬢さんが家を出て工房に弟子入りする話。中世のフィレンツェで画家修行とか、題材が珍しいから当時の街の様子やら暮らし、コスチュームとそれだけでも面白い。主人公のアルテは、自分の人生は自分で切り開きたいと頑張る、根性の据わった前向きな女の子だけど、素直で実はイマいちトロい16才。弟子入りしたくても女だからと門前払いされ続けた彼女を拾ったのは、弟子を取らずに一人で工房を経営している変わり者のレオ。アルテは無茶な課題をクリアして見事弟子入りを果たすが、当時の画家は顧客の注文を受けて、自分の工房で商品を生産する職人であって、体力勝負の毎日となる。絵の技術だけでなく、顧客との交渉から代金の取り立てから学ばなければいけないことは沢山あるので、話のネタも沢山。
特に女性キャラが、一人一人の生き方、考え方が感じられる存在感のある描写で、エピソードの厚みが出ている。女性にとって制約の多い社会を舞台にして、各女性キャラの意思を明確に描くことでドラマを作り出している。読み甲斐のあるマンガ。
アルテ 1巻
アルテ 2巻
アルテ 3 (ゼノンコミックス)
アルテ 4巻
アルテ 5 (ゼノンコミックス)