市川春子「宝石の国」

1巻がamazon unlimitedでタダになってたので読んでみた。アニメと同じなんだけれど、原作マンガの方はまた独特の雰囲気がある。
例えば一番最初、モルガナイトが草原でフォスフォフィライトに、先生が呼んでるよ、と声をかけるシーン。
「っと」「そうだ」「フォス!」「いるんだろ!」「フォス!」
1ページを縦に4コマに分け、上記のセリフを5つの吹き出しに分けている。
普通なら一つの吹き出しにまとめるようなセリフを、いくつもの吹き出しに分け、コマも分けたりしている。なんというか、カット割りが細かい感じ。そういうマンガはコマの大きさも小さくなりがちなきがするけれど、そんなことないし、セリフのないコマや背景だけのコマも多く、全体にゆったりした感じ。デザイン的に処理されたカットも多く、時間の流れ方が独特な感じがする。初期の高野文子とか思い出した。似てるというわけではないんだけれど、語り口に独自のリズム感があるあたりが共通するのかな。
こういう読み味は、アニメで表現するってわけにはいかないんだろうなあ。