宇宙よりも遠い場所 #9 南極恋物語(ブリザード編)

ザマアミロー!!
やっぱ、もうシラセちゃん主人公でいいんじゃね。
隊員の一人、財前敏夫が実は隊長の藤堂吟に片想いしていて、藤堂隊長と以前から知り合いだったシラセちゃんに相談に来る。知り合い、と言っても報瀬にとっては母貴子の友達であり、これまでほとんど喋ったこともなかった。どっちも無口だし、藤堂吟も子供の扱い方とか分からないし。そして今は、どっちも南極で亡くなった小渕沢貴子の死を引き摺っている。敏夫の話をきっかけにして、貴子を軸に、吟と報瀬の過去が描かれる。
吟は行方不明になって捜索が続いてたときに、貴子の最後の交信を受けた。綺麗だ、と囁く天国からの通信のような貴子の言葉が、吟の不屈のモチベーションとなった。
一方、報瀬にとって、母の死後も、母の帰りを待っていたそれまでと変わらない日常が続いていた。

帰ってくるのを待っていた毎日と一緒で何も変わらない
毎日毎日思うんです、まるで帰ってくるのを待っているみたいだって
変えるには行くしかないんです、お母さんがいる宇宙よりも遠い場所

回想シーンでも、報瀬と母の二人のシーンがなくて、母親は常にどこかに出かけて行くのだけれど、不在の貴子を挟んだ報瀬と吟の関係を描いて、そこで小渕沢親子の関係も印象強く描かれていた。
重くなりがちなテーマに、敏夫のコミカルな芝居を息抜きに絡め、さらに前進後退を繰り返して少しずつ氷を割って進む砕氷船の雄姿に、戦後日本の南極観測隊の苦闘の歴史まで重ねて、思い切りポジティブにまとめていた。そして最後に、南極の氷上に第一歩を印したシラセちゃんの第一声が「ザマアミロー!!」。一気にカタルシスが来た。よかった。今週も神回だった。
しかしシラセちゃん、子供の頃からなわとびにこだわってたのね。なんか理由があったのか。