明治カナ子「一変世界」

一変世界 1巻 (バンチコミックス)

一変世界 1巻 (バンチコミックス)

一変世界 2巻 (バンチコミックス)

一変世界 2巻 (バンチコミックス)

魔物が棲む禁断の森の中央にあるデラ女神の神殿で大巫女となる修行に励む少女プーリョの物語。女の子は可愛いけど、神官とかは不気味だし、人間と人間じゃないものが混ざってて、ついさっきまで話してた相手が振り返るとヒビの入った石像になってたりする。雰囲気は長閑だが、命に関わるような危険が無造作に転がってたりするので油断ならない。かと思うと、いきなりギャグになったりもするのでやっぱり油断できない。この薄気味の悪さは、諸星大二郎に似てる気がする。諸星大二郎リスペクトは結構多いけれど、資質が似てるマンガというのは初めて読んだ気がする。諸星大二郎坂田靖子をふりかけたような感じ。
神も魔物も同じようなもので、人とは違う世界の理を生きている。でも、人間の情愛や感情の揺れがだんだん魔物に振り変わっていって、人間と魔物が逆転して行くような、不思議な世界観がある。
なにこれ傑作じゃん。バンチコミックスって、少女終末旅行とかも出してたし、結構キてるかも。