泉光「図書館の大魔術師」

図書館の大魔術師(1) (アフタヌーンKC)

図書館の大魔術師(1) (アフタヌーンKC)

アラビア風の異世界を舞台にしたビブリオファンタジー。主人公は、小さな貧しい村の中で差別を受けている「耳長」の少年。少年は本が大好きだったが、差別によって、村で唯一本が読める場所である図書館から締め出されている。しかしある日、「本の都」アフツファックにある中央図書館の司書セドナと出会うことで、その運命が大きく変わっていく。
王道ど真ん中という感じの少年マンガ。1巻まるまるプロローグで、衣装や背景などの細かい書き込みと、勘所を押さえる壮大なナレーションとが、堂々たる雄大な物語を予感させる。魔術書が劣化すると魔法が漏れ出して、それに対して本を修復するノウハウを駆使して補修するという設定が面白い。暴走した魔術に対抗するために魔術も使うけれど、本の修復作業自体は魔術書も一般書も同じで、ただ魔術が暴走してる現場でのスピード勝負になるという違いがある。
「トショカン」の表記に、くにがまえの中に「書」が入ってる国字を使ってるのも特徴的。これ一文字で「トショカン」と読む。
参考:http://hp.vector.co.jp/authors/VA000964/html/tosho.htm