展覧会「ラフ♾絵」

4rough.com
秋本治天野喜孝大河原邦男高田明美4人のラフ絵を集めた展覧会。4人の共通点はタツノコ出身ということ。会場は3331 Arts Chiyoda、秋葉原といってもむしろ末広町です。秋本治のコーナーではこち亀のネームがどっさり。最近は1話まるまるネーム公開ってのも珍しくなくなったけど、現物が壁一面に展示されてるとか、クリアファイルに挟んだ現物を何本も読めるとか、そうそうないでしょ。天野喜孝はラフというか習作というか、これまで見たことなかったんで、貴重だった。鉛筆でぐちゃぐちゃぐちゃっと描いてたり、筆でえいやっと描いたようなのが何枚もあったり、なんかスゴかった。大河原邦男はラフというか、クリナップされたメカデザインがかっこいいのからコミカルなのからとにかくいっぱい並んでた。
高田明美のラフはねえ。いいよお〜。昔の、ラムちゃんとかきまぐれオレンジロードとかから最近のまで。パトレイバーもあるし、そしてもちろんクリィミーマミがいっぱい。鉛筆で描かれたほっぺたの線の柔らかいこと!表情のチャーミングなこと!シルエットの魅力的なこと!自在に動き回る1本の線の躍動が、ここしかない!という唯一無二の位置に収まっている。何だろう、このラフ画の心奪われるような魅力は。なんかもう時間を忘れて見入ってしまう。高田さんが絵描いてるとこのビデオも流れてて、やっぱり見入ってしまう。でも絵描きが絵描いてるビデオって、基本的に見入ってしまうよね。
あと、4人がそれぞれ他の3人の持ちキャラを書き合うというコーナーがあって、秋本治が描いたボトムズとか檸檬風の森沢優とか、そういうのが並んでる。秋本治はやっぱ器用で、何描いてもそれらしくなる。大河原邦男は逆に何でも自分のメカにしちゃう。高田明美は描きたいものしか描かないというか、"D"とか女体化してるし。大河原キャラでガッチャマンだし。なんかムチャクチャかっこよかったけど。天野喜孝も、何というか、天野喜孝だなあと。ガンダムとか、ゴヤじゃん。マミはまあ、なんと言うか。こんな目の大きい女性の絵って、天野さん描いたことないんじゃないかなあ。ラフだとちょっとつり目っぽい感じで、天野風なんだけど、完成版はえらく儚げな天女風、て言うかマダム風じゃね?なお、このコーナーのみ撮影自由。
展示は16日火曜まで。夜は8時までやってます。

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"D"高田明美
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クリィミーマミ天野喜孝