DUNE デューン

フランク・ハーバートの名作SF小説を完全映画化。監督のドゥニ・ヴィルヌーヴは「メッセージ」の人ですね。SF映画の撮り方がわかってる。
DUNEの映画化としては120点だけど、映画としては淡々として展開もゆっくりで、話が動き出したと思ったら途中で終わるから結構辛い。2部作だそうですけど、多分ハリウッド映画だったら冒頭20分で見せるとこに2時間半かけてる。でもそのおかげで、諸侯がそれぞれ惑星を支配する帝国宇宙や砂の惑星アラキスの世界にどっぷりと浸れます。原作ファンが見たかった絵を見せてくれる感じ。独自の用語が山ほど出てくるけど、言葉の説明よりも絵で見せる手法なので、初見の客にはハードル高いかも。SFアクション映画じゃなくて、歴史ドラマ観るつもりで行った方が楽しめると思う。あるいは惑星アラキスのドキュメンタリーとか。とにかく砂漠の存在感は圧倒的で、ドイツあたりの城みたいながらんとした邸宅の空間演出との対比が、独特の異世界感を醸し出していた。リズムセクションを強調した、ちょっとエスニックな音楽も効果的で、確かにこれは、フランク・ハーバートデューンだ。映画館の大スクリーンで、音響システムに囲まれて観る価値がある。ただ、日中50度とか60度とかの設定なんだけど、あんまり暑そうじゃなかったな。
バトルシーンや派手な爆発もあるけれど、SFガジェットを見せびらかすようなところは無く、しっくり馴染んでいた。でも大活躍のオムニソプターは良かった。ガジェットとしては、シールドという個人用のバリアみたいなのが出てきてて、地味なんだけど手間をかけて描写していた。巨大な建築物とか古代遺跡のような印象で、ちょっとエイリアンとか思い出した。