香月美夜「本好きの下剋上」第五部女神の化身VIII

第5部8巻、通算第29巻。対アーレンスバッハ戦前半、出陣から首都制圧、ゲルラッハ突入まで。慌ただしい出陣からアーレンスバッハ侵攻まで、一気に突き進む。「シュタイフェリーゼより速く!」の決めゼリフがカッコいい。この巻の1番の盛り上がりはなんと言ってもフェルディナンド救出。ここまで保ってきた緊迫感が、ロゼマとフェルのいつものやりとりでフッと緩む。フェルディナンドに緩んだ顔をなんとかしなさいと言われるところで、ローゼマイン視点で没入していた読者側の視線が半歩下がって、辺りを見回す余裕ができる感じになる。
この後情報のすり合わせがあって、フェルディナンドに魔王スイッチが入るけど、何を企み出したかが明らかになるのはもう少し後。銀の船を1隻ずつ攻略する対ランツェナーヴェの派手なバトルも見どころ。ここでアウブの守護が出てくるけど、これって第2部神殿の巫女見習いIII(6巻)の伏線回収だよね、なんと23巻ぶりだよ。
プロローグはユストクス視点で、レティーツィアが魔力供給の間から飛び出してきてから貴族院経由でエーレンフェストに戻るまで、エピローグはゲオルギーネ視点でビンデバルトでの待機からエーレンフェストの街への上陸まで。優秀な領主候補生だったゲオルギーネの闇堕ちが語られまる。間話は「エーレンフェスト防衛線(前半)」。ギーべ・キルンベルガ視点「開いた国境門」、ブリギッテ視点「イルクナーの戦い」、フィリーネ視点「避難訓練通りに」、エーファ視点「強固な守りと繋がり」、ギュンター視点「誓いを果たす日」と、ほぼ時間順で各所での動きが語られる。この時点では実際の戦闘はまだイルクナーからグリーベルに拡大しつつある状況。そして最後に、フェルディナンド視点「望みのままに」。2枚組CDドラマの付属SSもフェルディナンド視点「迫られた選択」ローゼマインが消え、情報が途絶えた状態で今後の指針に迷う心境が描かれる。特典SSはハイスヒッツェ視点「ダンケルフェルガーの会議室」、本物のディッターにハンネローレが参加することになった流れがわかる。


香月美夜「本好きの下剋上」第五部女神の化身I - ねこまくら1
香月美夜「本好きの下剋上」第五部女神の化身ll - ねこまくら2
香月美夜「本好きの下剋上」第五部女神の化身lll - ねこまくら3

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