香月美夜「本好きの下剋上」第五部女神の化身 X

第5部10巻、通算第31巻。1巻まるまる中央での戦いです。これでラオブルート、ランツェナーヴェのジェルヴァージオを退けて戦闘は終了ですが、フェルディナンドの戦いはまだまだ続くのです。プロローグはディートリンデ視点、アーレンスバッハの礎の魔術が奪われても離宮でマイペース。エピローグはアウブ・ダンケルフェルガー第1夫人ジークリンデ視点。。ダンケルフェルガーから見た戦いの評価と、今後の展望が語られます。フェルディナンドの魔王っぷりに舌を巻くアウブ・ダンケルフェルガー。今回も間話集は120ページ以上の書き下ろしで、中央の戦いの様相を余すところなく伝えます。イマヌエル視点は中央神殿とラオブルート、ジェルヴァージオとの共謀、アナスタージウス視点、マグダレーナ視点は王族側の事情、そしてジェルヴァージオ、フェルディナンドとそれぞれの戦略が明かされます。王宮の中で何やってるかわからなかったツェントの状況や、マグダレーナが講堂に飛び込んで来る経緯からラオブルートとの戦いの決着が描かれて、中央の戦いの全体像がはっきりしました。ローゼマイン視点の本編だと戦闘の途中で始まりの庭に飛ばされるので、後から結果だけ教えてもらうんですよね。側から見て余裕ありそうだったフェルディナンドが、彼に見えていたものが語られることで、実は薄氷のギリギリ辛勝だったということに気付かされました。しかし、フェルディナンドに「真っ当な性根の持ち主」ではないと言われたジェルヴァージオも、知略のかぎりを尽くして勝ちに行くフェルディナンドと並ぶと、随分と純朴に感じられてしまいますね。特典SSはコルネリウス視点。ローゼマイン側近から見た講堂の戦い、と言うかハルトムートが光の帯で縛られて転がされる顛末です。
現在WEB連載651話なので最終話まであと26話、完結まであと2巻だそうです。最終巻にはまた大量の書き下ろしが入り、アウブ就任まで入れるとのことなので、楽しみです。


香月美夜「本好きの下剋上」第五部女神の化身I - ねこまくら1
香月美夜「本好きの下剋上」第五部女神の化身ll - ねこまくら2
香月美夜「本好きの下剋上」第五部女神の化身lll - ねこまくら3

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【小説26巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身V」 (TOブックスラノベ)5
【小説27巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身VI」 (TOブックスラノベ)6

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