かみはら「転生令嬢と数奇な人生を」

転生令嬢モノで、宮廷陰謀モノ。不摂生が祟って30代で死んだ主人公は貴族の令嬢カレンとして異世界転生したものの、14歳の年に母親に忘れられる。なぜか母親がカレンのことだけ綺麗に記憶を失ってしまったのだ。異世界といえども異常事態である。一族大騒ぎになり、あれこれと手を尽くす中で、母親が不倫していて、カレンは不倫相手との娘だったことが発覚する。カレンは体よく追い出されてしまうのだが、国王の第2妃となった姉がカレンの名誉回復に向けて動き出し、なんやかんやで結局カレンは隠居生活をおくっている辺境の地方領主の後添えとして嫁ぐことになる。40歳以上の年の差婚である。とりあえず穏やかなカントリーライフを楽しめるかと思いきや、突然隣国からの侵略軍に蹂躙されてしまう。ここまでが1巻で、その後も数奇な人生に翻弄されてカレンは次々と立場が変わっていく。いわゆるチート的な能力はないけれど、他の世界での記憶が意識の上での余裕をもたらすこともあって、前向きに乗り越えていく。実は転生者は他にも居て、そっちの方にチート能力がある。カレンはむしろ、チートで無双してる転生者の尻拭い役。
展開が早くて、話の膨らませ方も面白い。主人公はどちらかというと悪役で、敵対する相手方の方がむしろ正義の主人公タイプだったりする。話が進む中で味方も増えていくけれど、決別したりしに別れたりで入れ替わっていく。結構エグいこともして、その後フォローがないのがちょっと気がかり。
5巻でクライマックスを迎えて話は一段落するんだけれど、まだ続くみたい。
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