忘却の旋律

白夜岬の次は鼠講谷。涙のダムの穴をふさぐ鬼、弦をはじく娘、ととりあえず顔見世。「してる」「してない」の掛け合いが面白かった。
そういえばオランダでダムだか堤防だかに穴が開いて水が漏れてきてるのを発見した少年が自分の身で穴を塞ぐという話があって、昔の教科書にのってたりしたんだけど、中田雅喜のエッセイマンガで、そのネタもとを捜すというのがあった。結局いくつかのバージョンが見つかって、謎のままおわっていたけれども。
ちなみに元ネタの一つはM.ドッジ、「銀のスケート」の中の「ハールレムの英雄」で、少年は指で穴をふさいで一晩中がんばったという話。ただ、戦前の朝鮮総督府編纂の修身の教科書には、少年が死んでしまう結末のバージョンが載ってたらしいという未確認情報が。少年が死んでしまうバージョンは日本の創作か、それとも別の元ネタがあるのか、そこまでは分からなかったのでした。

マンガの方の忘却の旋律も2巻まで読んでみました。こちらはハッキリと青春モノの成長物語で、アニメと違ってずいぶん素直な印象。
ついでにヘルシングのマンガも買ってきた。もっと陰惨な話かと思ってたけれど、化け物が陽気に殺し合いをするマンガでした。平井和正というより筒井康隆、という感じ。