香月美夜「本好きの下剋上」貴族院の自称図書委員 IV

第4部第6巻、通算18巻。相変わらず騒動のタネを振りまきながら学園生活を謳歌してるローゼマインだけど、ローデリヒの名捧げやターニスベファレン討伐や、不穏な空気が次第に色濃くなってきている。ヒルデブラント王子が無邪気で可愛いんだけれど、ある意味一番救いのない子供なんだよなあ。
プロローグはシャルロッテ視点の親睦会報告、エピローグは頭の痛い報告書。SSはローデリヒ視点の、ターニスベファレン騒動前の魔石準備に絡むエピソードと、ルーフェン視点での騒動後の先生達による旧ベルケシュトック寮探索。そして特典SSはライムント。
領主候補生としてのシャルロッテの葛藤とかはローズマイン視点ではなかなかわからないよね。エピローグはWEB版に比べるとかなり整理されてる。細かい描写が削られたのは悲しいけれど読みやすさは書籍版が断然上で、編集作業のゲンバを見た感じ。
そして、何と言っても、アニメ化決定だそうですよ、いやっふぅ。
PVだと記憶を覗く魔術具とか出てるし、第2部までを2クール、とかかな。原作をなぞってくとかなり駆け足になるんで、大幅な構成変更とかもあるかもしれない。嬉しい反面怖くもある。


【合本版 第一部】本好きの下剋上(全3巻) (TOブックスラノベ)
【合本版 第二部】本好きの下剋上(全4巻) (TOブックスラノベ)
【合本版 第三部】本好きの下剋上(全5巻) (TOブックスラノベ)
本好きの下剋上?司書になるためには手段を選んでいられません?第四部「貴族院の自称図書委員I」 (TOブックスラノベ)
本好きの下剋上?司書になるためには手段を選んでいられません?第四部「貴族院の自称図書委員II」
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員III」

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香月美夜「本好きの下剋上」第四部貴族院の自称図書委員 - ねこまくら
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香月美夜「本好きの下剋上」第三部領主の養女 5 - ねこまくら第三部領主の養女5
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香月美夜・鈴華「本好きの下剋上」 - ねこまくら
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本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません ふぁんぶっく2 - ねこまくら
香月美夜「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜」ふぁんぶっく - ねこまくら
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香月美夜「本好きの下克上」 - ねこまくら第一部兵士の娘

ケムリクサ #10

次第に強くなってくる赤虫の襲撃を退けながら進む一行。水ももう残り少ない。
なんだかバスタ新宿跡地みたいなとこに辿り着いて、行く手を渦巻く濃密な赤い霧に阻まれる。その先には、空中に浮かぶ謎の光の元に続くケーブルを登っていくしかない。一行は歳暮の水を分け合い、一晩休むことにする。
そして翌朝、リツとリナ達に後方を任せてリンとワカバは先に進もうとする。しかしリツとリナ達は最後の水を飲まずにミドリちゃんの葉を作り、自分たちは分解しかかっていた。多分赤虫集団との戦闘で消耗していたんだと思う。
リツ達が分解してしまう前に赤い木を倒し、速攻で水のある島に戻ろう、とリンとワカバは先を急ぐ。ケーブルの先に繋がっていたのは高層クレーンのような構造物で、見たことのないケムリクサの木が支えている。そしてその先には、禍々しいまでの赤い霧の中に聳り立つ赤い木。
突入の前に、記憶の葉を探りたいとワカバが言い出す。記憶の葉が見せる最初の人の記憶は、高台の上のベンチに座る、少女だった。

なんかドンドン核心に近づいてる感はあるけれど、謎が膨らんでくとこで次週に続くで、絶妙な引き。仲間と別れて進んでいく展開はパターンの一つではあるけれど、絶望感が強くていやが上にも盛り上がる。無印セーラームーンのラス前とか、泣きながら見てたっけ。

「ちはやふる」公式コミックガイド

ちはやふる 公式コミックガイド (KCデラックス)

ちはやふる 公式コミックガイド (KCデラックス)

40巻までのストーリーガイド、近江神宮をはじめ東京の府中や文京区、福井県芦原温泉などの聖地巡礼、1話丸々のネーム、仕事場や執筆風景などなどのほか、桜沢先生の結婚準備とかキャラクターQ&Aとか書き下ろし部分が結構入ってる。マンガの公式ガイドって3月のライオンとかまほよめとか色々でてるけど、書き下ろしのマンガがこんなに入ってたのはなかったような。

ケムリクサ #9

赤い霧の立ち込める谷間を見下ろしながらワカバたち一行は、ローマの水道橋が縦横に走ってるみたいな細い道を辿り、大きな山を登る。するとそこにはまた青い壁が立ち塞がっていた。ワカバが壁を開こうとすると、壁の中から巨大な赤虫のヌシが現れる。壁の中を動き回ってるため、攻撃は壁に阻まれてしまう。一行は一旦撤退し、策を練ることにする。
みんな寝てる間にワカバがそこら歩き回って、リョウに遭遇する。リクの時もそういうパターンだったな。リョウは確かに一度死んだけど、ケムリクサにバックアップがあったらしい。ただ葉っぱが残り少なくて、あと一回戦ったら終わりだとか。ワカバが壁の中のヌシを倒す方法を相談すると、リョウはぐにゃぐにゃと溶けてリョクに切り替わる。一つの葉の中に3人入ってるのか?
結局ミドリちゃんの枝を一本折って、壁に投げつけて破壊、逃げるヌシをワカバが体を張って足止めして、見事に倒す。
最後にワカバの前にリョウがふわっと現れて、またふらっと消える。ケムリクサが本体で、体は幻何だろうか。実はリンの体を共有してて、だからみんなが寝てる時だけ動き回ってるとか?
なんか山の麓がちょん切れてて、下は根っこが生えてるみたいに見えたが、今までの島ってのもみんなあの水道橋みたいなのの上に乗っかってたのか。
リョクがずっと、地形に誰かの意図を感じると拘ってるけど、赤と青のせめぎ合いがあるんだろうねえ。
ちなみにリョウが鼻でリョクが目でした。

肋骨凹介「宙に参る」

to-ti.in
リイド社がやってるサイト「トーチ」で連載中のWEBコミック。肋骨凹介(あばらぼねへこすけ)はこれが商業デビュー。
宇宙船が今でいうセスナ機くらい身近になった未来の話。主人公の鵯ソラは夫を亡くして寡婦になったばかり。いきなり葬式のシーンから始まる。と言っても夫婦が暮らしてたのは地球から遠く離れたコロニーで、会葬者は地球から遠隔映像での参加となる。夫婦共コロニーで働く技術者だったのかな。そして遺骨を届けに、人工知能搭載ロボットの息子を連れて地球まで45日間の宇宙旅行に出かけることになる。
ソラは「機械とプログラミングに妙に長けている」と紹介されているが、遠隔葬儀に合わせて地球から焼香できる焼香ロボを造っちゃったりしていて、長けているというレベルではない。後のエピソードで、ウィザード級なとこも垣間見れたりする。ちょっとくだけた感じで技術系というか手に職系の日常SFで、読んだ感じは、あさりよしとおっぽい。コメディなんだけど、ロジカルな皮肉っぽさが後ろで支えてるみたいなとことか。
更新されたばかりの4話はソラが乗っている宇宙船の関係者の技術営業員が視点になって、技術者から見たソラの不思議さ、という話なんだが、その技術営業は船内のおでん屋で他人の注文聞きながら品書き見て暗算するんだな。それが頭の中のホワイトボードで表現されている。最後の方で少しだけ説明があるのだけれど、おでん屋のメニューは198円とか398円とか、全て下二桁は98円。なので98を100−2として、百の位と下二桁と分けて計算してる。さらにメニューは198円、398円、598円と、百の位は皆奇数になっている。「だから」、合計2288円と聞いて「あれっ」と思う。まず、88=100-12で、下二桁98円を(100-2)円として計算してるわけだから、x✖️(100-2)=x✖️100-12と考えて、x=6、6✖️(100-2)=588 つまり6品頼んだということがわかる。下二桁の合計は588円なので、あとは6品の百の位を計算してたし合わせれば合計金額になる。2288-588=1700だから、100、300、500の中から6品で1700になる組み合わせ、ということなんだが、その組み合わせはあり得ない。奇数を偶数個足したら偶数になるからだ。それで何か裏メニューか、とか思ったりするわけだが、まあ読者としても、こう段階を踏んで考えればわかるけど、さらっと読んで理解するのはなかなか難しい。と言ってもあくまで技術営業員のキャラ描写の一つで、別にこの辺の理屈がわからなくても構わず読めるし面白いし、その意味でバランスもいい。とにかく、頭の中のホワイトボード暗算そのものも含めて、新鮮な感覚だと思う。

蝸牛くも「天下一蹴」

デビュー前の蝸牛くもが第7回GA文庫大賞に応募して最終選考で落とされたという幻のデビュー作。というか、自分で落としたクセに、幻のデビュー作とか銘打って盛り上げてしまうマッチポンプぶり、GA文庫ナイスです。
主人公は今川氏真桶狭間で破れた今川義元の息子。塚原卜伝に新当流を学んだ一方、蹴鞠や和歌に秀でた文化人。武田、徳川に攻め立てられて駿河を失い、妻の実家である北条を頼るも結局追い出されて徳川家康の庇護下に入り、信長に蹴鞠を披露したりして戦国時代を生き抜き天寿を全うした人物。江戸時代の評価は、歌で国を滅ぼした暗君とか叩かれていたわけだけれど、蝸牛くもは家も国も一蹴して好きに生きた自由人として描いた。
本書は、北条を追い出された氏真が、家康の依頼を受けて信長に蹴鞠を披露するため妻と二人連れで浜松から京に上る道中の物語。ただし蹴鞠披露はあくまで表向き、実は手にした者が天下をとると言われる天下刀、義元左文字を信長に届けることこそが真の用向きであった。そして、刀を狙い氏真の命を狙うのは甲賀金烏集。次々と襲いかかる恐るべき忍術使いに、氏真は新当流剣術と、飛鳥井流の蹴鞠で立ち向かう!
ダークファンタジーゴブリンスレイヤー 」の作者だけに伝奇風味ですが、そこここに時代小説愛が炸裂しています。婆娑羅娘な奥方、蔵春もいいキャラです。しかもまた伊東悠の表紙イラストが、二人の魅力を一目瞭然で伝える、いい絵なんだよなあ。
蝸牛くもの書く人物って、ゴブスレにしても氏真にしても、すごい重たい過去を背負ってても屈託がなくてストレートなんですよね。それがうまく活きて、気持ちの良い活劇に仕上がってます。

ケムリクサ #8

赤い霧を発生させている赤い根の根本を断つために谷へと降りていった一行。次から次へと襲ってくる赤虫はキリがない。そこに、なぜかワカバに懐いてる白虫が現れた。
白虫は、ドローンのような自律歩行する機械で、話しかけるとディスプレイに文字を出力して会話できる。どうも白虫が赤い霧に侵されると赤虫に、青い霧に侵されると青虫になるらしい。白虫、見たまんまルンバとか言われてるけど、なんだかけもフレのラッキービーストをどうしても思い出してしまうよな。その白虫が付近の地図を見せてくれたので、一行は赤い根の先端を迂回して、島の奥へと向かうことができた。
山を貫く急勾配のトンネルを登って、反対側の中腹に出たところに打ち捨てられたフネがあり、その中には何台もの白虫が待機していた。「船長」の命令を待ってずっと待機していた白虫たちは、ワカバの命令を受けると喜び勇んで通路を塞ぐ赤い根の排除に向かい、赤虫になる前に自ら機能を停止する。
なんか攻殻機動隊SACタチコマを思い出してしまった。
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG #25 憂国への帰還 - ねこまくら
ただ違うのは、ワカバは実行の許可を出してること。あまり結果とか深く考えずに許可したっぽいだけに、指示する者の責任の重さに激しく動揺する。そして動揺するワカバを見て、リンもまた未知の感情を揺すぶられる。
しかしこういう機械とか動物の健気さって、定番のネタではあるんだけれど、心に刺さるなあ。
やはり白虫も赤虫も、壁もとにかく動いてるものはみんなケムリクサで動いてるらしい。「最初の人の葉」は今リンが持ってて、それが何かカギになってるらしい。6姉妹は、目、耳、鼻、舌、皮膚、体力?に特化してるらしい。耳がリツ、舌がリナ、皮膚がリクでリンが体力?リョウとリョクが目と鼻なんだろうけど、どっちがどっちかは分からん。
なんで山の中に船があったのかと思ったけど、湖が干上がったってことなんだろうな。