ガールズ&パンツァー 最終章第2話

お待たせしました第2話。一応ネタバレありなので未見の向きはご注意を。パンフも前半部分だけの「上巻」で、下巻は後日発売とか。あまり情報入れずに見に来てください、という感じなのかな。流石にガルパン初見でコレってのは無茶だと思うけど、ただそれでも、ドラマ部分は意味不明でも、戦車戦のガチっぷりの衝撃だけでも訴求力あると思う。
上映時間60分だし、今回もわりとイイとこで終わっちゃうので、劇場版の予算かけて作ったテレビシリーズという感はある。贅沢で宜しいのだけど、嗣記はまた1年半待ってね、というのはやはり悲しいものがある。映画だし、ある程度まとまったお話が見たいじゃない。でも戦車戦の迫力は何モノにも代え難いし、劇場で鑑賞してこそというとこはあるし。パンフの下巻が出た頃にでも4DX行こうかなあ。
前半は対BC戦の続き。最初の劇場版にあった迷路庭園みたいなボカージュでの戦闘。ボカージュはノルマンディー地方特有の生け垣のことだそうで、第二次大戦時には英独戦車隊による「ヴィレル・ボカージュの戦い」というのがあった。ガルパンでの迷路戦は二回目になるけれど、視界のきかない戦場で相手の連携の弱点をついて撹乱するとか、生け垣砲撃して突っ込んでったりとか、いろいろ趣向があって面白い。
しかし、ボカージュで検索すると同名の賃貸アパートとか大量にヒットする。ヴィレル・ボカージュって、そんなに有名なのか?家主がミリオタとか?ちょっと不思議。
日常パートや他校の試合シーンを挟みつつ後半は対知波単戦。吶喊一辺倒のやられキャラだったのが、得意のアヒル迷彩に加えて足踏み突撃だのさよなら突撃だの多彩な戦術を繰り出す強敵になってた。神出鬼没の知波単に追い詰められる大洗学園。今度はジャングル戦で、視界の開けない舞台での戦闘が続く。密林を疾走する主観映像とかもう息もつかせぬ迫力だけど、その分何がどうなってるのかわからん的なウラミはある。実際こんな激戦の只中に放り込まれたかのような、矢継ぎ早に襲いかかる情報量に近くがシェイクされまくる迫真のバトルだった。
BC自由学園、知波単と相手方のキャラをじっくり描いた分、大洗学園サイドはおなじみキャラという感じで要所の見せ場だけという扱いになって、サメさんチームは割食ったような。

篠房六郎「おやすみシェヘラザード」3

映画ネタで「一人でキネマ」と双璧をなす寝落ちバトルの3巻目。今回は何より消しゴムつながりで、「私の頭の中の消しゴム」と「イレイザーヘッド」を取り違えるというネタが抜群の破壊力。それに勝るとも劣らないのが腐女子なアッシェンバッハの「ベニスに死す」。そしてやっぱりバーフバリ。ネタ映画ではあるんだけれど、圧倒的な熱量で全部ねじ伏せられてしまうという豪快な映画だけに、あれこれ考えずに巻き込まれてしまうしかないという。「一人でキネマ」での扱いもそんな感じだった。
しっかり百合展開も忘れてません。

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香月美夜「本好きの下剋上」貴族院の自称図書委員 VII

第4部第7巻、通算19巻。第4部もあと2冊、かな。聖典検証会議があったり、ローデリヒの名捧げを受けたり、領地対抗戦があったり、ローゼマインはやっぱりディッターに巻き込まれたりして、貴族院二年生終了まで。プロローグはお茶会でローゼマインが倒れた後のあれこれで、自国の歴史書現代語訳を手にして興味津々なダンケルフェルガーの反応が読める。エピローグはエグランティーヌ視点で、強襲事件背後調査の報告など。WEB版ではこの辺りはほとんど出てこなかった情報で、その後の展開やアナスタージウス達の動きにつながっていくエピソードになってる。書き下ろしのSSはハルトムートとクラリッサ、コルネリウスとレオノーレ二組のカップルそれぞれの東屋デート。狂信者カップルのデートは勿論ロマンチックとは程遠いんだけど、時期的には領地対抗戦の前で、ハルトムート暗躍の片鱗が見えたり、チームローゼマインの異例っぷりにクラリッサが戸惑いながらも素早く対応したりとか、別視点で眺める面白さが詰まってる。コルネリウス達はユルゲンシュミット貴族の学生の恋人同士として、雰囲気出していちゃついてる。「普通」の恋人同士の描写がないと、ローゼマインがなぜ破廉恥と言われるのかもわからないしね。第4部最後の山場に向けていろいろ動き出してるだけに、別視点でのエピソードも今後の伏線っぽい感じ。本編でも、ヴェローニカ時代の貴族院の話とか、いろいろ加筆が多かった気もする。細かい表現も、結構手が入ってるね。WEB版はローゼマイン視点で一貫してる分、感情移入して一気に読み進んでいったけれど、他者視点のエピソードが要所で組み込まれていくと、ローゼマインの影響力が次第に浸透して周囲を変化させていく過程が立体的に感得されて、より重厚さも増してくる。
特典SSはオットー視点で丸洗いされた後の下町の話。ベンノとカーリンの話も少し出てくるけど、詳しいことはやっぱりよくわからない。むしろカーリンのその後とかも、気になっちゃう。
同時発売のドラマCD第3弾はローデリヒの名捧げ中心。書き下ろしはローデリヒを特訓するハルトムート。
フェルディナンド祭り、と言われるけど、なんかハルトムート祭りでもあったような。

【合本版 第一部】本好きの下剋上(全3巻) 本好きの下剋上(合本版) (TOブックスラノベ)
【合本版 第二部】本好きの下剋上(全4巻) 本好きの下剋上(合本版) (TOブックスラノベ)
【合本版 第三部】本好きの下剋上(全5巻) 本好きの下剋上(合本版) (TOブックスラノベ)
本好きの下剋上?司書になるためには手段を選んでいられません?第四部「貴族院の自称図書委員I」 (TOブックスラノベ)
本好きの下剋上?司書になるためには手段を選んでいられません?第四部「貴族院の自称図書委員II」 (TOブックスラノベ)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員III」

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香月美夜「本好きの下剋上」第四部貴族院の自称図書委員 - ねこまくら
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香月美夜「本好きの下剋上」第三部領主の養女 5 - ねこまくら第三部領主の養女5
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香月美夜・鈴華「本好きの下剋上」 - ねこまくら
香月美夜・鈴華「本好きの下剋上」 - ねこまくら
本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません ふぁんぶっく2 - ねこまくら
香月美夜「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜」ふぁんぶっく - ねこまくら
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香月美夜「本好きの下克上」 - ねこまくら第一部兵士の娘

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」

むしろいいことだよ。何にだって、どんな映画にだって、ゴジラを加えればより良くなると僕は思っている。想像してごらんよ、「スター・ウォーズ」にゴジラを足したら、やばいだろ? 「七人の侍」だってさらに良くなる。54年版の「ゴジラ」にゴジラを足したら、ゴジラがダブルで登場してさらにやばい。

eiga.com
監督のマイケル・ドハティはこんな人。それがハリウッドで好きに撮ったゴジラ映画だ。とにかく怪獣の描き方がすごい。怖いし、カッコいいし、美しいし、神々しい。ゴジラキングギドラモスララドンそれぞれを1体ずつフィーチャーしたポスターがまず十分エモいけど、その期待は裏切られない。ゴジラの貫禄とか、キングギドラの絶望的な強さとか、一切出し惜しみしない、日本の怪獣映画のエッセンスを詰め込んでスケールアップしたような、なんかもう物凄いものを見た、という感じ。ギャレゴジとか、パシフィック・リムとかには残ってたバランス感覚がぶっ飛んでるというか、リミッター解除というか。だってゴジラキングギドラ最終決戦の前に、伊福部昭流すんですよ。燃えるしかないっしょ。なんか雑な人間ドラマとか、いやそんなとこリスペクトしなくても、とかも思ったけれど。
怪獣映画は子供の頃から随分見てきたけど、自分の頭の上で怪獣同士取っ組み合いされる恐ろしさというのは、今回が一番身に沁みた。
しかし、モンスターバースですか。マーベルとかDCのヒットでユニバースものも流行りだけど、モンスターバースも定着するだろうか。なんか2026年にはゴジラ対メカゴジラとかスケジュールされてるみたいだけど。是非そこまで続いて欲しい。
しかしアニゴジといい、最近のゴジラはどんどん首がなくなってく。

原作/城平京 漫画/片瀬茶柴 「虚構推理」

妖怪ミステリ、とでもいうのだろうか。超自然的要素を入れることで、逆に可能となったロジックの仕掛けが堪能できる。原作は本格ミステリ大賞受賞作。
主人公は探偵役の岩永琴子。17歳の可憐にして苛烈な令嬢。小学生のころ、モノノ怪に攫われて右目と左足を失い、知恵の神となった。賢いとは言い難いモノノ怪たちの相談役となり、仲間内や人間との揉め事の仲裁をする。人とあやかしとの秩序、覆してはならないこの世の道理を守るのが知恵の神であり調停者である琴子の役目だ。彼女が求めるのは真実でも正義でもない。混乱した秩序が再構築されるための説明、ストーリーを提供する。それが虚構であっても構わない、だから「虚構推理」。京極堂の憑き物落としに通じるものがある。
そんな彼女が一目惚れして、強引に恋人になった大学生桜川九郎と共に挑むのは、ネットの噂が具現化した怪異「鋼人七瀬」、事故死した巨乳アイドルの亡霊が鉄骨材を振り回すという無茶なモンスター。妄想が生んだ想像力の怪物を倒すには、「鋼人七瀬」を生んだ物語を解体し、その存在を否定する別の物語で上書きしてやる必要がある。それはつまり、「鋼人七瀬」にまつわる様々な怪異の「真相」を構築して、ネット上の匿名の閲覧者たちを説得するということ。真実はあくまで存在する「鋼人七瀬」が怪異を引き起こしたのだけれど、あくまで人間の引き起こした犯罪として説明する、すなわち虚構推理。
本格ミステリには、探偵の示した推理が真の解決なのか、全ての手がかりが適切に開示されたのか、作中の探偵自身には検証のしようがない、という限界がある。「後期クイーン問題」と言うそうだが。本作ではそこを回避して、説得される快感を純化させたと言える。
原作を読んでないので、コミカライズにあたってどのくらいアレンジしたのか、してないのか、わからないわけだけれど、岩永琴子のキャラが強烈で、桜川九郎との掛け合いがいちいち面白い。コンビで事件解決に当たるわけだけれど、九郎はワトスン役ではないんだな。最初の「鋼人七瀬」編では九郎の元カノである紗季がワトスン役だったけれど、話ごとに変わり、特にはっきりしたワトスン役のない話もある。琴子の推理が真実を暴くためではなく、誰かを説得するために繰り出されるものだから、その説得される相手がワトスン役に比定されることが多い。
コミックス6巻までが「鋼人七瀬」編。その後はマンガ化を前提に書き下ろされた短編を原作として、現在10巻まで刊行されています。
虚構推理(2) (月刊少年マガジンコミックス)
虚構推理(3) (月刊少年マガジンコミックス)
虚構推理(4) (月刊少年マガジンコミックス)
虚構推理(5) (月刊少年マガジンコミックス)
虚構推理(6) (月刊少年マガジンコミックス)
虚構推理(7) (月刊少年マガジンコミックス)
虚構推理(8) (月刊少年マガジンコミックス)
虚構推理(9) (月刊少年マガジンコミックス)

今村昌弘「屍人荘の殺人」

屍人荘の殺人

屍人荘の殺人

鮎川哲也賞受賞作。大学のミステリ愛好会メンバーが、映研の夏合宿に参加して、殺人事件に遭遇というと王道ですが、予想外の展開に驚かされ、説得力のある解決に繋げる鮮かさに見惚れてしまいました。冒頭にホテルの見取り図があって、警察も手を焼く難事件を解決してきた名探偵が登場して、と本格物の要素を踏襲しつつ、お約束をお約束として流さない、奇想を盛り込みつつもロジカルな娯楽としての本格推理の醍醐味を外さずにきっちり堪能させてくれます。
被害者と容疑者を用意する関係上、ミステリの登場人物は多くなりがちで、2、3人づつ登場させてそれぞれエピソードをつけたりとか印象付けたりするんだけれど、それでもどんどん増えてくると読んでる方もだんだん混乱してきます。登場人物リストを見返しながら読むんですけど、タイミングよく改めて人物紹介がされて、それがまた印象的で、痒い所に手が届くとはこういうことかと思います。
映画化されるそうですけど、宣伝とか始まると不用意なネタバレとかのリスクも高まるし、速攻読んだ方がいいです。

名探偵ピカチュウ

ピカチュウかわいい、というか画面に溢れるポケモンをひたすら愛でる映画。
ピカチュウの表情、仕草、オヤジくさいしゃべり方まで、とにかくかわいいい。コダックとかフシギダネとか、違和感なく歩き回ってて、初めてジュラシックパークを見たときのような感動があった。最初ポケモンに毛を生やすのはどうかと思ったけど、ピカチュウのぬいぐるみみたいなモフモフ感こそがこの映画を成立させるために必要不可欠の要素だった。
爆音スピーカーのドゴームとか、暴れまわるリザードンとか、意外にでかいコイキングとか、渡辺謙とブルーのコンビとか、画面を横切るだけみたいなのも含めて、まあポケモン三昧な世界。個人的にはピンチに陥った主人公を、地味に骨でコツコツ叩いてくるカラカラとか、好き。
話は、もうちょっとハードボイルドなのかと思ってたけど、そういうのではなかった。なんか込み入った描写なり演出をすっ飛ばして進めてく感じだし、主人公だけがピカチュウと話せる設定もイマイチ使いこなせてなかったり、脚本には難がある。まあ画面の隅のポケモンとか探してても話においてかれないので、それはそれで。