戸倉儚「雑用付与術師が自分の最強に気付くまで」

これまで読んだパーティ追放もので一番面白かった。主人公は地味な能力のせいで役立たずと言われて冒険者パーティを追い出されるんだけれど、実はすごい能力でパーティを実質的に支えてたから、主人公の抜けたパーティはガタガタになり、一方枷の外れた主人公はその進化を発揮していくという話で、主人公は自己評価が偉く低いんだけれど、幼馴染の女の子の引きで実力者に認められ、活躍の場を広げていく、と書くとほとんどパターンに沿ってるんだけど、各キャラの性格づけと行動がしっかり噛み合っていてスムーズに読めるし、展開も早くて盛り上げも上手いからコミック読み出したら止まらなくて、小説と両方読んだ。
強力なバフで身体強化すると、体を慣らす必要があるというのはドラゴンボールでもあったし、「本好きの下剋上」でも出てたけど、その回避法として、身体構造や力学を考慮してピンポイントで最小限のバフをかけることで通常の身体感覚のままで強力なバフに匹敵する効果を出すというのが主人公の発想で、対象の特性に合わせて非常に細かい調整が行えるというのが突出した能力の秘密。設定した一つの理屈に合わせた細かい戦闘描写、というのが好物なので私的にストライクな作品でした。
コミック版はこちら。

雑用付与術師が自分の最強に気付くまで(コミック) : 1 (モンスターコミックス) 雑用付与術師が自分の最強に気付くまで(コミック) : 2 (モンスターコミックス)
雑用付与術師が自分の最強に気付くまで(コミック) : 3 (モンスターコミックス) 雑用付与術師が自分の最強に気付くまで(コミック) : 4 (モンスターコミックス)