門田充宏「風牙」
- 作者: 門田充宏
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2018/10/31
- メディア: 単行本
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コニー・ウィリス「クロストーク」 - ねこまくら
記憶データのレコーディングが可能になった世界の話。ただし眼に映るもの、体に感じるものをどう解釈するかは人によって違う。他人の感覚は理解できない。ただ記録しただけの記憶データは当人だけにしか意味をなさない。しかし、他人の感情、感覚にシンクロする過剰共感能力者は、他人の記憶データを解釈して、翻訳辞書を作ることができる。過剰共感能力によって当人の主観である記憶データを第三者視点で再構成して、誰でも理解できるように映像化する技術者がインタープリターであり、主人公の珊瑚は、トップレベルのインタープリターである。
記憶の中に潜行して、人の無意識が築き上げた謎を解いていく、精神分析SFとでも言うのか。ミステリとしての謎の引っ張り方もあざとさが無くて、気持ちよく読める。珊瑚の陽性なキャラと、トボけた関西弁がシリアスな内容をうまくコントロールして読み味をよくしている。他人の記憶を体験できる商用プラットフォーム、疑験都市「九龍」とか、ギミックも魅力的。
で、この過剰共感能力って、実在するみたいなんです。
- 作者: ヘレントムスン,Helen Thomson,仁木めぐみ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2019/01/30
- メディア: 単行本
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それから、テニスのコーチの動きを見て自分の身体に感じた後、自分で動いてみると何が正しくてどこが間違ってるかがすぐわかるので、スポーツとか身体的なスキルの習得には便利な能力だそうです。
ただ、他人の感情に巻き込まれて不意なパニックに陥らないように、自分を落ち着かせるメソッドを色々準備したり、ホラー映画とか見て自分を慣らしたりしているそうです。