「のだめカンタービレ」10 二ノ宮知子 講談社

のだめカンタービレ(10) (KC KISS)
いよいよパリ編です。千秋とのだめのコンビは割れ鍋に綴じ蓋というか、異郷の地で腐れ縁を確認してしまいます。見事な自分勝手同士なのに、なぜかキモのところで合ってしまうという。
しかし、のだめは主人公なのに、10巻目まできても全然目標が見えないというか、どこに向かってるのやらわかりません。努力、というより異常な熱中を時々みせるんだけれど気まぐれだし。千秋の方は一歩一歩目標に向かって前進してるのに。コンクールとか「勝負ごと」も多いし、厳しい実力の世界ということでスポ根や教養小説のパターンに持ち込むのはよくあるんだけれど、そういうパターンを絶妙に回避してここまで盛り上げてるのはすごい。
10巻では、指揮者コンクールの会場に向かう列車内で、コンクール参加者の付き添い同士がやりあうとこが一番好き。

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