金利、とか

question:1110268505
質問は終わられましたが、一応続きを書いておきます。>id:toko2
日記の日付は気にしないで下さい。
https://www.csfb.co.jp/client_entrance/research/credit/ghlc/abs_030804.pdf
まず、コメントにあったリンクですが、クレディスイスが銀行や住宅会社などの債券を発行する側に向けて作った資料で、債券を買う投資家のことはあまり書いていません。公庫のページにある、既発の債券の資料を読むと、売れないことはないが、(今は流通市場がないから)実際には難しいでしょうということです。なので、言えるのは平成50年までに市場が整備されて売れるようになるかもしれないし、やっぱり売れないかもしれないというくらいです。どういう人がどんな資金で投資しているのかは知りませんが、目先の直利目当てで買っていると後々後悔するかもしれませんね。ただ債券の場合、その間にもらうクーポン収入が累積していきますので、その分を再投資に回して元をとっていくことができますし、長い債券の場合はこの影響がなかなか馬鹿に出来なくなります。それが割に合うか合わないかは、どんな資金で投資しているか、ポートフォリオの中でどう位置づけるのかによるでしょう。
「予想金利の加重平均」ー金利期間構造のディスカウントモデルなどと言いますが、これは要するに、今の市場金利は5年後の短期金利2%を織り込んでいる、あるいは10年後の短期金利3%を織り込んでいる、と言うにすぎません。言ってしまえば単なるツールです。そんな金利は低いと思えば売るし、高いと思えば買う、それだけのことです。まあ、米債の方は売られましたけれど、株など債券以外の資産の期待収益率が低いせいで、投資資金が債券に流れ込んで世界中で需給が債券価格を下支えしてるということはあるようです。toko2さんの短期金利見通しがいかほどであるのかは存じませんが、たとえば5年後の円の短期金利3%、長期金利(10年)4%を織り込もうとすると、現在の10年金利は2.7%くらいになる計算です。
債券投資が他資産に比べて異なっている点は、毎期キャッシュフローを生むということです。金利が上昇して、元本が低金利のまま塩漬けになったとしても、毎期入ってくるクーポン収入は高い金利で再投資できます。これが収益上のクッションとなります。で、モーゲージの場合、毎期のキャッシュフローはクーポンの他に償還分があります。住宅ローンといえば繰り上げ償還、というくらいで、毎期償還になっていく分があるわけです。普通の債券に比べてキャッシュフローが大きい分、クッションも大きそうに見えますが、金利が動くとこれが逆にはたらきます。金利が下がると繰り上げ償還が増え、金利が上がれば繰り上げ償還は止まります。金利が上がって再投資したいときにはキャッシュフローは細り、金利が下がるとキャッシュフローが増える。ネガティブコンベクシティという言い方をしますが、モーゲージにとっては金利が動くことは好ましいことではありません。