吉永さん家のガーゴイル #6 もう君の歌は聞こえない

植物を擬人化して意思疎通可能にするヘルメットがあると、もうリンゴも食べられなくなるということで結局「知らぬが仏」という話、っていうわけじゃないんだけれども。そういえば「綿の国星」でも、自分が食べていた物は元々生きていて、殺されて食べ物になったのだということを悟ったチビ猫が精神的危機に陥る話があったなあ。掘り下げればいくらでも掘り下げられるテーマではあるけれど、プラクティカルな答えも答えであって、梨々のときみたいに素材で使ったダケというよりはよっぽどマシだとは思う。でも、これはそもそもそんな話じゃないんだよなあ。「別れ」の話でしょ。
双葉への信頼に迷いがないガーゴイルと、その信頼を裏切らない双葉の関係の深さがうまく描けているので、ずっと花子にこだわり続けていた双葉がガーゴイルに戦闘許可を出すクライマックスが感動的に盛り上がりました。泣かせる話をキチンと作り上げてキレイにまとめるという点では、屈指のシリーズだと思います。でも、なんで風呂敷広げたがるのかはよーわからん。昔のマンガだと、ガーゴイルに間抜けな弱点とかつけてバランスとったんだけど、そういうのはなんもない、ほぼ無敵状態だし、泥棒相手じゃ役不足なんだろうなあ。