狼と香辛料 #9 狼と渦巻く陰謀

ロレンスとホロのいちゃつきが輪をかけて親密になっている。ここまで手管に長けて、それでいてかわいいヒロインというのは貴重なんじゃないだろうか。だいたい人気の属性って、ツンデレにしろ素直クールにしろ、計算で気をひくというのとは正反対のタイプだからなあ。
ロレンスはラトペアロン商会から武具を半値で信用買いし、レメリオ商会に売りにきた。しかし武具は暴落していて、タダ同然になっていた。ロレンスには借金だけが残った。で、ラトペアロン商会は債権をレメリオ商会に譲渡したので、ロレンスはレメリオ商会に金を返さなければならない。
これは、ラトペアロン商会が一枚も二枚も上手だったってことね。武具が普通に売れるんだったら、ラトペアロンは信用売りした代金をレメリオ商会から受け取れる。でも売れないことを知っていたので、先に債権を売って金を回収した。レメリオも武具の暴落で大損したらしいんで金回り苦しいだろうけど、債権を買ったのはそれなりに割引いて買えたからなんだろう。
で、武具が暴落したのはなんでなんだろ。戦争が終わって需要がなくなったとか、戦費がかさんだんで手持ちの武具を大放出した貴族がいたとか、かしら。でも、そんな大きなニュースだったらロレンスが知らなかったのはうかつだろう。もともと武具の実需が少なくて、仮需で大きく価格が左右される市場だったとかかな。例えば、近く大きな戦争がありそうだから武具の需要が増えるんじゃないかとかいった思惑で値上がりして、空振りに終わると暴落するとか。それだと、信用買いでレバレッジ掛けるのはそもそもリスク高い取引だよなあ。