ef - a tale of melodies. #6 flection

「コレが、アナタが見捨テタ オンナノコです」

ef - a tale of melodies.
OPはボーカルなし、絵もキャラクターなしのタイポグラフィだけ、という非人間的なバージョンで導入からなんだかコワい。今回はいつにもましてバストショットが少ない。目だけや口だけのパーツのアップや、遠くからのロングショットや、とにかく落ち着けるショットがない。色も薄かったり舞台照明のように全体に色が付けられていたり。夕と凪が同じ画面に立っていてライティングの色で違いをみせたり、久瀬のミニコンサートで優子だけが影になってたり。夕が教室に入った最初のカットで教室の中に画面右ー上手から光が差しこんでるのに久瀬と優子が影の中に立ってたのは、ドキっとした。最後の教会のシーンでも、夕が明日を信じろとかなんとかお題目を繰り返しているところをぐっとカメラを引いてロングショットで見せるんだけど、やはり上手のステンドグラスだけが明るくて二人の立ってるとこは暗い影になってる。光は影を際立たせるためにしか使われない。
畳み掛けるように単語を羅列する優子に、夕が追いつめられて壊れていく。雨宮優子の「本当の自分」とは一つひとつ数え上げられる傷跡であり、とめどなく溢れ出してくる単語の奔流。つまり、バラバラになった部品。優子はそれらを意味のあるつながりにまとめあげることができない。なぜ自分がこんな目にあわなければならないのか、自分のどこが悪かったのか、どこで間違えたのか、答えのでない問いに疲れて彼女は考えることをやめる。彼女の自我は欠片となりメタファーとなって飛び散る。
で、それを頭からかぶって火村夕も輪郭を失って壊れてしまったわけだが。で、これからどうなるの。