とらドラ! #17 クリスマスに水星は逆行する

占星術では、逆行する水星はすれ違いや誤解、コミュニケーションの障害を意味するそうです。
川嶋亜美の「罪悪感」という単語が櫛枝を大きく動揺させる。ソフトボールの試合でミスしたことを落ち込んでる口実にしてるけれど、「罪悪感」の語に受けたショックから立ち直れずにいる模様。なんで動揺してるのかよくわからないけれど、自分の欺瞞が友人をだましてるという罪悪感を生じさせていて、それを指摘されたことで欺瞞を見破られていたと知ってショックを受けたのかな。あるいは、自分の中の感情が「罪悪感」だと気付かずにいたのが、亜美に指摘されて自分がこれまでの欺瞞に耐えられなくなっていることに気がついて周囲との付き合い方がわからなくなったのか。いずれにしても、これまでの仮面が使えなくなっているのはたしか。竜児を避けているふうだけど、大河も避けてるように見える。罪悪感を感じてる相手は竜児なのか大河なのか、みんななのか。なんだか自分の中の辻褄合わせのために、大河も竜児も利用しててそれに対する「罪悪感」のように思える。
クリスマスを前にして大河は竜児とみのりんを応援しようとするし、どういうわけだか亜美も竜児のためにみのりんを元気づけようとする。春田はまた大河と北村をくっつけようとするし、北村が好きな木原が大河は竜児とくっつくべきだと言い出すし、なんだかみんな一斉に他人の恋路に口をだしはじめてます。主人公は竜児でヒロインは大河なんだけど、人間関係は二人を中心にしてまわっているわけではない。あらゆるところに中心があって、それぞれ相互に影響しつつ、勝手に回ってる。これまで影の薄かった春田や木原がメインキャラの四人の関係に大きく関わり合ってきても違和感がないのは、これまで話数をかけてメインの四人のキャラの関係を多面的に描いてきた甲斐があって世界を広げていける素地ができてたからなんだろう。
昼休みの放送で担任相手にだめんずうぉーかー始める北村はすっかりヘンな奴。これまで奇行で元気を盛り上げていた櫛枝が方向感を見失って、かわりに北村の天然がフィーチャーされてきました。ヘンな奴の奇行も単なるギャグだけでなくキャラの描写に使ってるのが「とらドラ!」の巧みなところ。
なぜかサンタを信じて「いい子」でいる大河は、全力全開の釘宮を作画もサポートして、凶悪にかわいかった。