ソ・ラ・ノ・ヲ・ト #11 蒼穹ニ響ケ

私のラッパを聞けエンド。つうか、ナウシカがやりたかったのか。
なんかホプキンス大佐も勝手に暴走してるみたいだし、ここの軍隊の指揮系統ってどうなってんの。ラッパと伝令しか通信手段がないからなのか。ラッパが聞こえなかったふりをすればなんでもアリなのか。第1次大戦前の軍隊は部隊ごとに勝手に戦争してたとでも思ってるのか。
両軍の間に割って入った少女が戦争の危機を回避するクライマックスというと、獣の奏者とか十二国記とかナウシカとか、いくつか思いつくけれどどれもみな中世から古代のファンタジー。戦争で荒廃した世界という点ではナウシカが近いけど、文明の衰退度合いがえらく違う。なまじに文明の混乱を「らしく」みせようとしたおかげで、ラストの奇跡がばかみたいに浮いてしまった。伝説の通りだ、といって感激するおばばさまもいなかったしな。
次第にたかまっていく戦争への流れをじっくりと描いていた他作品と違って、たまの話題になるくらいで戦争の影の描写を欠いていたから、最後になって急に慌てたってみんななにを必死になってるのかもよくわからない。戦争がずっと続いてて講和が結ばれるかどうかってところなんでしょ。開戦の危機が、って戦争は昔っから続いてたんじゃないの?ホプキンス大佐とローマ帝国軍内部の継戦派が講和協定破りを画策してたってことなのか?たまたま戦場になってなかったセーズが、たまたま戦場になりそうだったのを回避したってことなのか?そもそも命令が届けられてる気配も見当たらないんで、なんか姫さまが勅命持って国中回って歩かないと終わらなそうな感じだったけど。
設定説明しないのは勝手だけど、少なくともこの世界での通信手段としてのラッパの重要性についてだけはしっかり説明すべきだったね。なぜ無線がないのか、電話線が1本だけなのか、そのくらいは説明しとかないと、最後にアクションいれたってサスペンスが盛り上がらない。
ヘタに細かいとこでリアリティを出そうとしたせいで、とってつけたようなドラマが身もフタもなく浮いてしまった。クライマックスのシーンを思いついたのはいいけれど、そこに持ってくまでの展開を作れなかったので無理矢理継ぎ足したというだけの失敗作でも、おもらし1話が残ればいいんでしょ。
とりあえずタケミカヅチの動きだけは面白かった。