朝倉かすみ「乙女の家」

乙女の家 (新潮文庫)

乙女の家 (新潮文庫)

若竹若菜は17歳の女子高生。シングルマザーで娘を育て、75歳で結婚した曽祖母、族のヘッドの子を16歳で産み、やはりシングルマザーで育てた祖母、そして今別居中の母親、クセの強すぎる家族に囲まれていたって没個性的な若菜は、なにか自分も「キャラ」を立ててみたいと思う。そこで文学少女キャラを徹底してる高橋さんと友達になってみたりする。

うっかりした生涯を送ってきました。

という「人間失格」パロで始まる正統派青春小説。軽い読みやすい文章だけど、ラノベじゃあない。全編姦しいガールズトークで溢れてる感じ。「茶々が成長して批評になってる」から「淀君」とか、言い回しが楽しい。