宇宙よりも遠い場所 #13 きっとまた旅に出る

最終回。前回がクライマックスで、今回は手堅くまとめに入ってます。すっかり南極観測隊の日常に慣れた4人も、いよいよ日本に帰る日がやってくる。スノーモービルでお土産の氷を切り出しに行ってペンギンに囲まれたり、氷上ソフトボール大会やったり、報瀬ちゃんが髪切ったり。必ずまたここに来ます、そう言って4人は昭和基地を後にする。
南極の夏は白夜だからオーロラは見えなかったんだけど、砕氷船の上で四人は初めてオーロラを見ることができた。そこで、報瀬宛にメールが着信。1通未送信で残っていた母のメールだった。中身はオーロラの写真で、「本物はこの一万倍綺麗だよ」という文章がついている。「知ってる」と報瀬は笑顔で応える。
エピローグで5年後とかポンと時間を飛ばすのってよくあるパターンなんで、そういう終わり方だとつまんないなあと心配してたけれど、全くの余計な心配でした。4人それぞれが家に帰るまで、旅の終わりがエピローグになってキッチリ終わりました。最後の最後で、めぐっちゃんが北極からドヤ顔のメッセージ送ってくるオチまでついて、サイコー。その後の4人、とか描かなくても、「きっとまた旅に出る」と確信させてしまう。うまい終わり方で、有終の美というか、最後の最後まで完璧だった。とにかく、毎回キッチリドラマを組み上げて、密度の濃いワンクールだった。
4人それぞれのドラマがあったけど、しかし、キマリのドラマって南極に出発するまでで終わってるんだよね。だから終わってみると報瀬ちゃん主役のイメージが強い。
あくまで現実味のある設定を重視してるからそうそう無茶もできないということで、南極観光っぽくはなっちゃったけど。南極の魅力、とか故人の遺志を継ぐ、といった観点にウェイトがかかって、南極観測の意義とかは薄かった気がする。南極はあくまで舞台であって、主役は女子高生4人であり、吟隊長なんだよね。南極アニメ、と聞いてSFだろうと期待したんだけど、南極自体がもう一人の主役、みたいな感じの。でもそういうのじゃなかった。南極以外を舞台にしてもドラマ自体は成立するからね。