マンガ夜話少女マンガ/「デザイナー」一条ゆかり

一条ゆかりは、最初っから一条ゆかりだった。りぼん新人賞授賞式の後に、他の受賞者と編集の人に連れてってもらったレストランで、「店で一番高いものを」と注文したそうです。それで出されたレミ・マルタンを一口飲むなり「不味い」と。あと、出版社のパーティで先輩マンガ家のイヤミを受けて立ったり。受賞当時の18歳だった一条ゆかりの写真も見れてずいぶんお得でした。
里中満智子の16歳デビューの衝撃は、他でもいろいろ書いてる人いたし、やはり当時の同年代のマンガ家志望者にはすごいショックだったんだろうなあ。でもデザイナーの連載が始まったときもすごかったです。プロットも背景も色使いも、線もカキモジもなにからなにまで一緒に載ってる少女マンガとは全然違った。絵もお話も「こうでなければ」という水準を提示したいわば一条ゆかりの少女マンガ宣言だったわけで。
悪役の鳳麗花が、主人公たちがみんな死んじゃった後で、勉強やり直すつってフランス行って修行してるというエピローグが当時やたら印象に残りました。作者が一番描きたかったキャラだったって言ってましたけれど、悪役を筋の通った人間として描いたマンガって珍しかったし。
今晩は「ポーの一族