呪怨

今更ではあるけど、一応ネタバレ注意と断っておく。
一軒の呪われた家を中心にして、詰め込める限りの「怖いシーン」を詰め込んだオムニバス・スタイルの怪談集。怪談なので、怖いだけで明かされるような因果もないし救いもありません。いろんな怖がらせ方を集めて、凝った画にしてるので、ツボにはまるようなシーンが必ず一つや二つはあるでしょう。ただ、或るシーンがメチャクチャツボで怖かったとしても、別のシーンで醒めちゃう、というようなこともあります。
夜中にふっと目が覚めると枕元から女がじっと覗き込んでて目が合う、というシーンがありましたが、次のカットでカメラが引いて、全体の構図を見せちゃうんですよね。主人公がベッドに寝てて、頭側に立った女が前屈みになって覗き込んでる全体を横から撮る。すると、なんだか構図がNG集のカットみたいになっちゃってつい醒めてしまいました。どうも、「いやだ怖いっ」という瞬間にカメラがサッとロングになって、客観的になってしまうという妙な演出があって、怖すぎないようにセイフティがはたらいてるみたいな感じがしました。安心設計?