月詠 -MOON PHASE-  #23おにいさま、わたしってそんなにヘンですか?

耕平が葉月の後ろに見たのはヴァンパイアとしての宿縁だそうです。魔物である、ということのもつ意味とか、萌えアニメとして普通スルーだろうというようなとこにこだわって、作品世界の枠に挑むような展開です。
いいかげんバケモノにも慣れてそうな耕平がそこまで怯える光景をなかなか絵で見せないので、このまま耕平の演技で押し通すのかと思ったけど、最後に出しましたね。待たせただけのことはあったと思います。定眼(浄眼?)を使いこなす手強さの表現はセリフに頼る部分が多いけれど、そこでどれだけ説得力が出るかがキモなのでこの調子でたたみかけていってほしいです。
決着を急いだジェダの襲撃に隠れてたじいさん、エルフリーデまで出て来て防戦しますが、耕平は役立たずのままだし、歯も立ちません。追いつめられた末の葉月がかき口説く長ゼリフはしみるほどに切なく心に迫ります。ふと自分の口元に指をあて、小さなキバを確かめると堪えきれずに落ちる涙が畳を濡らす。目を上げられない耕平を恨まず、血の宿縁を嘆かず、自分に出来る唯一のことを選択して葉月は仲間の元へ帰っていく。
古い説話形式である異類婚姻譚の含意を活用してこれだけ盛り上げたんだから、ぜひ平成の「うる星やつら」として終わらないハッピーエンドをお願いしたいです。
どうやら金だらいは霊力で落としている模様。弥生さまは「たらい」のお札も持ってました。