吉永さん家のガーゴイル #8 銀雪のガーゴイル

イヨに新機能をつけられたガーゴイルが、過去の世界に行って双葉と和己にそっくり(でも男女が入れ替わってる)の姉弟に会う話。山神さまとか、山の守り人とかけっこう昔なのかと思ったけれどせいぜい二、三十年前くらい?でも伝説になってるしなあ。よくわからん。
姉弟の親が雪崩を予知したのになぜ村人が逃げなかったのか、というのが謎になってるのだけど、事なかれ主義の村長が警告を握りつぶしてたというオチ。一方で姉の方は山の守り人としての使命に殉じる。門番としての矜持を抱くガーゴイル自身のエピソードなんで、泣かせの盛り上げ方もおさまりがいい。まあ、最後の溶けて流れる雪が涙に見えるのはやりすぎな気がしたけど。若本さんの「まことか」だけで充分なのに。
わりとこのアニメ、感想サイト回っても評判が芳しくないんだけど、実はけっこう気に入ってる。ハートフルコメディと銘打って泣かせ話ばかりやってるんだけど、キャラはそんなに泣かないからかなあ。今週の話なら、村長が白状し姉が亡くなった後の弟の反応を見せないとことか。首なしデュラハンのときも思ったけど、おもいっきりキャラに愁嘆場を演じさせて紅涙を絞るような演出に対して照れがあるのか、展開を早めにしてアッサリ味にしている。いろいろ詰め込んでも一つ一つが重くならないんで中途半端な薄味に感じちゃうウラミもあるけれど、くどくならないヌルめな展開がご町内世界観というような味になってる。人情話でも人情を全面に押し出さず、自分の役割であるとか務めを果たすという方向で話が進んでいって、その裏側に含まれている人情を感じさせる。そういう慎み深さが肌に合うんだと思う。