こどものじかん #6 おもいで

人が死ぬ感動モノの話は星の数ほどあります。これもそのひとつ。なにか目新しかったり、奇を衒ったりすることもなく、家族の幸福と不幸の物語が思い入れを排して淡々と語られます。手垢の付いた素材というのはそれだけ普遍的なテーマでもあるわけで、短いエピソードを重ねてポイントだけを見せていく演出がうまくイメージを膨らませてくれます。このプロットで2時間くらいの映画って普通にあるよなあとか思うと実は展開はものすごく早いんだけれど、むしろゆったりしたテンポを感じさせます。
回想シーンに現在のシーンが挟みこまれる構成で、ずっと現在がモノクローム、過去がカラー画面になってます。それが病気で弱っていく秋さんが次第に淡色になっていって、最後の臨終のシーンでは枕元の折り鶴の朱色が印象的な色のない部屋になる。カットが切り替わって現在に戻ると、フルカラーになる。これだけで、過去の悲しみを乗り越えた現在を感じさせてくれます。ちょっとここは鳥肌がたった。
で、EDも特別バージョンで、それはいいんだけど、おかげで余韻に浸る間もなく予告に突入。しかもその最初のカットがりんのベビードールって、どうよ。