狼と香辛料 #13 狼と新たな旅立ち

最終回。ホロにふりまわされてたロレンスも、うまく取引して借金を返すメドもつくとホロの扱いもうまくなったな。最後まで二人の掛け合いが楽しいアニメでした。しっぽで感情表現できる、ってのはやっぱずるいよなあ。マントの下でもこもこ動いてる絵だけでも、アニメにした甲斐があったというものです。
シリーズ前半のエピソードだと、ホロの変身シーンがクライマックスになっててカタルシスがあったんだけれど、今回のエピソードだとロレンスがホロに会えた時点でもう決着はついちゃってるからなあ。ホロが激情にかられて暴走すれば、次のノーラと向き合うシーンも緊張感が増しただろうけど、ロレンスに説得されて耳が動いちゃったあとだとヤマ場にはなってもクライマックスというほどじゃない。もともとアクションがキモになるアニメじゃないしね。じゃあなにで最終回を盛り上げるのか、というとこれが痴話ゲンカなんだ。オオカミになったホロと羊飼いノーラが向き合ったその瞬間に、どっちの名を呼んだのかと問いつめるホロとからかうようにはぐらかすロレンス。と、いきなり盛り上がる音楽に雰囲気も盛り上がる。これは、と思うと次ぎにくるのが壮絶なオチなんだ。お前ら、一晩中歩き回りながらそんなことやっとったんかいっ!
ラブラブ珍道中で、二人が歩き回る世界に日常や生活感の豊かな描写で説得力をつけるというのは成功したと思います。でももうちょっと教会のこととか知りたかったな。商売の話だと、世俗化しつつある社会の経済面だとかいろいろきにはなります。1クールだし、そうなんでもかんでも詰め込めはしないし設定語りで消化不良を起こしちゃ本末転倒なんだけどね。ロレンスがなんで取引に武具を選んだのかとか、なんで武具が暴落したのかとかそんなとこからチラリとかいま見させてくれるだけでもずいぶん違うんですが。原作だと書いてあるのかなあ。