魍魎の匣 #12 脳髄の事

最終回と思ってたけど、あと1回あるのか。
魔がさす、とは言わず「通りものにあたる」と繰り返す。人を殺すか/殺さないかという敷居を超えてしまう、説明のできない衝動をいろいろな状況でさまざまに描いてきたのは、一連の事件の発端となった人身事故の真相に説得力をもたせようという構成上の狙いがあったんだろうか。
しかし、いきなり機械仕掛けの「死神」が登場して物語を強引に終わらせる「目眩」ってのもトンでもない小説ではあるよなあ。まあ、泉鏡花の「天守物語」とか、最後の最後にいきなりカミサマが登場してそれまでの悲劇を強引に逆転させて終わらせてたりする有名な戯曲もあるけれども。wikipediaによれば大正6年の作品だし。泉鏡花 天守物語