かんなぎ #13 仁、デレる

最後は綾波リスペクト?巨乳派ってネタはこのオチのためか。
アニメ「かんなぎ」最終回。さすがていねいな芝居をつけるなあ。つぐみの表情とか仕種とか。アップとロングで作るテンポとか、斜めのアングルの使い方とか、気持ちがいい。留守録使う脚本も面白い。大鉄いい奴だし。オフでせりふ入れるカットでアップにしてる足が芝居してるのって珍しいかも。でも、つぐみの電話機の握り方はヘンじゃね。ナギ様の鼻水まで描くのはさすがにやりすぎな気もする。
まあそれでも、肝心の仁とナギのケンカがどうにも違和感を抱くものなのでカラ回りしてる感は否めない。なまじ演出がていねいなだけに仁のイタさは際立つし、最後のつぐみはギャグというよりefの鬱展開みたいだ。ナギは仁の懐疑に直面してアイデンティティの危機に陥ったってことらしい。そりゃ、ネットで叩かれて落ち込むアニメ監督みたいなものか。なんだか原作の連載中断と妙にシンクロしてるような気にもなったけれど、産土神ってそんなナイーブなもんなのか。まあいろいろと設定があるらしいし、本筋にからむ謎らしいんだがアニメではほのめかしてるだけだし、それまでのドタバタとのつながりが唐突すぎてついていけない。最後は島本須美でごまかされちゃったけど、そういえば「もののけ姫」で唯一本職声優で頑張ってたのが彼女だったよなあと思い出すと、ここで素朴な信仰心でナギを救う役をしてるのが面白いね。
仁もなんで意地になってんだかわからないけれど、仁を焚き付けたざんげパパもなにがしたいのかよくわからない。得体のしれないものとよく同居してるもんだって、その「得体のしれないもの」を特例で生徒にしたのはあんたでしょう。この人とざんげちゃんの関係とか、ざんげちゃんと依代になってる娘との関係とか、これもチラチラほのめかす部分はあるものの結局全部投げっ放し。
美術は力入ってるし演出はていねいだし、個々のエピソードは面白いんだけど見るほどにさめていく。演出あって監督無しという感じで、たしかにその域に達してないかなあ。
ざんげちゃんCDはDVD特典ですか。まさかそれだけで出したりしないよね。