川上弘美「センセイの鞄」

センセイの鞄 (文春文庫)

センセイの鞄 (文春文庫)

少女マンガだなあ。解説で、これ読んだオヤジが嬉しくなってソノ気になっちゃうとか書いてあったけれど、ネタなんだよねえ。一人暮らしで悠々自適の老人が年下の女性に惚れられて、というのが理想の老後だというのはそうかもしんないけど、でもいわゆる「ただしイケメンに限る」というヤツで、センセイはあくまで女性からみた理想の美老人でしょ、大島弓子のマンガにでてくるみたいな。今ならむしろ山下和美オノ・ナツメか、というあたりかな。そういう意味ではファンタジーだと思うけど、恋愛小説がファンタジーなのは別に悪いことじゃないですよ。実は死んじゃう系純愛モノだけど、全然大仰じゃない、淡々とした味わいが嬉しいね。