ハートキャッチプリキュア! #14 涙の母の日!家族の笑顔守ります!!

早くに母を亡くした姉妹の母の日。こういうエピソードはあざとく感じるものが多いけれど、なぜか素直に泣けた。デザトリアン化させることで紆余曲折関係なく本音を明らかにさせてしまう仕掛けがあることで、心情を吐露させるためにドラマで追い詰めなくて済むからだろうか。「笑顔がいちばん」をモットーに、つぼみに気を遣わせまいとするななみの健気さに、買い物で気持ちよく値切る活力を合わせたキャラクタ造形の妙だろうか。最後の回想シーンで、「笑顔がいちばん」が母親の言葉だったことを思い出すと同時に初めて亡き母の顔が画面に描かれる演出だろうか。家族の愛情を「笑顔がいちばん」という語で象徴させて、笑顔が失われると母の顔が見えなくなる、と分かりやすく表現し、最後は妹に言わせることで母親の想いが受け継がれたことを示す。テーマを絞ってシンプルにわかりやすく表現しているのがよかったのかもしれない。
しかし、母親のいない人は白いカーネーション、ってのは今はもうすたれたのだろうか。そもそも母の日の始まりが、亡くなった母親に白いカーネーションを捧げたってのじゃなかったっけ。
プリキュアサイドのエピソードの重さとのバランスか、サソリーナはバカバカしいギャグ担当。バトルアクションは、戦闘要員を撃ち出すデザトリアンのギミックも面白く、プリキュアもよく動いて充実。個々の要素にそれぞれネタを盛り込んで完成度を上げていく、職人芸のお手本のような回だった。
ところで、あのお父さんの仕事はなんだったんだろう。会社員の父親ってでてこないね、このアニメ。家族の描写の中で父親の仕事の表現も自然に取り入れようとするとそうなるのかもしれないけれど、なんだか徹底してる気がするので他にも意図があるんだろうか。