輪るピングドラム #15 世界を救う者

一気にゆりさんが話の中心に飛び出してきた。ダビデ像みたいなビルのある街、というのが既に寓話的風景なので、フィレンツェから届いたというノミで自分の娘を削る彫刻家、というのも寓話的な表現だと言ってるんでしょう。奪われたものを取り戻すために、運命に抗って孤独な戦いを続けるというのは暁美ほむらを思わせる。謎の人物として登場して、物語後半に脚光を浴びることで物語の構造をシフトさせるというのも共通する。本作では死んだ桃華の存在が常に中心にあることはかわらないわけだけれど。
ピングドラム=桃華の日記は、電車を乗り換えるように運命を乗り換えることができる魔法の書だった。まあつまり、リンゴは使い方を知らなかったということなのか。