艦隊これくしょん -艦これ-

1クール見て、水上スキーの違和感にも慣れたけど、でもこれが船舶擬人化のスタンダードになったらヤだなあ。萌えキャラが3話で死ぬのはもうテンプレになったのか。
ゲームの方は1年半くらいやってるので、アニメの方もお付き合いしてみた。ファンサービスの特典OVAみたいな感じだった。プロが二次創作の後追いって、どうよ。ゲームのビジュアルはいろんな絵柄が混在してるんだけど、アニメでは絵柄を統一してるんで、キャラによってはけっこう違和感が残ったり、正直誰だかわからず混乱したりもした。仕方ないんだけどね。せめて公式サイトに、顔と名前だけは全キャラ載せてほしかった。しかし秋月はともかく、なんで村雨が出ないんだ。微妙に夕立とキャラがかぶるからか?
キャラに寄りかかった日常パートは、ほとんどカップリングネタに終始してたけど、決まった設定の通りに動かしてますっていう以上のドラマがない。戦闘パートは力入ってて、水上スキー部分を差し引いても迫力あった。ただ、敵の正体は不明で、一般船舶を沈めまくるとか、市民を攻撃してるような描写とかもないので、戦う理由がピンとこない。艦娘に命令してる提督は徹底して直接の描写が排除されてる。つまり、誰のために戦ってるのかよく分からない。そもそも艦娘というのがどういう存在なのかもよく分からない。ゲームはそれでいいけれど、物語を作るんだったら、そこ全部スルーしちゃったらドラマになりようがない。だからクライマックスに向けて燃える要素を積み上げていっても、見てて盛り上がらない。まあ全然回収されてないけど、それっぽい伏線もチラチラしてたんで、二期前提で構成してるのかもしれないけど、いくらなんでもそれはシリーズ構成として無茶だろう。
ゲームでは、もともと史実をネタにしてキャラ設定を作ってるんだけれど、そのキャラを動かして作ったドラマが弱いから、逆に「史実」の方がドラマとして浮き上がってきちゃうんですよね。クライマックスのMI作戦はモロ、ミッドウェーなわけだし、赤城は大破炎上の悪夢にうなされたりしてるわけです。史実としては、帝国海軍はミッドウェーで大敗して、空母4隻を失う大損害を受けたわけだけれど、アニメのMI作戦では絶体絶命のピンチから大逆転したりします。話としては、「運命に抗って、自分の力で将来を切り開く」みたいなドラマをやろうとしてるんだけど、そのお話の部分が弱いんで、単なる歴史修正主義にしか見えなくなってます。それを意図したとも思わないけど、「大人気の原作」と「政治的な意味づけを逃れがたい歴史」の二正面で戦うには覚悟が足りなかったんでしょう。