第二次大戦で枢軸側が勝利し、
アメリカが日本とドイツに分割統治されてる世界で、日本統治下の
アメリカーユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパンを舞台に巨大メカが大暴れ!みたいな宣伝もウソはついてないけど、メカ同士の格闘戦とかもあるけど、そういう期待では読まない方がいいと思う。基本的には
ディストピア小説で、戦争文学です。女癖が悪くていいかげんな天才
プログラマーと、陛下を侮辱するやつは誰でもぶっ殺す
特高警察の女性が、非合法ゲームの作者を探してヤバい橋を渡りまくります。
大日本帝国の
軍事独裁社会で、ファナティックな
天皇主義者と残虐な
キリスト教ゲリラが戦ってる設定はかなりダークだし、悪趣味でグロテスクな描写も沢山あります。巨大メカ
パイロットの母子のキャラが清涼剤、かな。殺伐とした話だけど、最後のエピローグまで読むと、
小説を一本読了した満足感が得られます。そういえば
沈黙の艦隊のラストもこんな感じだったっけ。
やたらと出てくるよくわからない、
アメリカナイズされた日本料理?みたいな妙なメニューとか、細かいとこで凝ってるとこが、「もう一つの日本」の生々しさを出してたりして、なかなか気持ち悪いので読んでみるといいです。