竹本泉「夏に積乱雲まで」

夏に積乱雲まで (ビームコミックス)

近未来の火星が魔法使いの社会になってるというマンガ。ジャンル分けすれば、魔法学園モノか？
魔法は裁縫とか見たいな技能の扱いで、魔法も工場で大量生産されるようになって廃れて行ったんだけど、インフラの整っていない火星の植民都市では必須になってるという設定。で、小さい頃は魔法の天才少女だったけど、今では落第寸前、という主人公の女の子が友達と魔法の練習したりしてると、なんだか周りでイロイロと不思議な事件が起き始めて、という話。
竹本泉のマンガは世界観の繋がってるシリーズが多いんだけど、いろんな短編集にバラバラに入ってたり、その世界観もいろんな種類があったりで、追っかけようとすると結構ややこしい。魔法を使うにはステッキと護符が必要なんだけど、魔法の技能等級があって、等級が上がるほど使えるステッキがシングルスター級、ダブススター級、トゥインクルスター級と上がってく。これは「ちまりまわるつ」の系列。魔法は簡単な魔法を組み合わせて複雑な魔法になっていくという体系で、高度な魔法の呪文も簡単な魔法の呪文の組み合わせに置き換えられるようになっている。ただし、その場合は唱えるのに何時間もかかったりする。
とりあえずリスト作って見た。「匠太郎とアンジェリケ」は設定は同じ世界だけど登場人物は別、魔法使いが魔法生物がらみの事件を捜査するミステリ。「みみだったり　みみだったり」は同じ世界の設定だけど魔法使いとかは出てこない。風邪引くとちょっと犬耳になる女の子の話。しかしリストアップしてみると結構たくさんあるんだな。
1988年なかよしデラックス初夏〜秋の号「ちまちまじっく」（「ちまりまわるつ」所収）
1992年アップルミステリー３月号「きいちご魔法店へようこそ」（「ちまりまわるつ」所収）
1992年アップルミステリー７月号「ちまりまわるつ」（「ちまりまわるつ」所収）
1993年アップルミステリー１月号「クリスマス・クリスマス」（「ばばろあえほん」所収）
1995年アップルミステリー１１月号「魔法使いなきっかけ」（「世の中なまほう」所収）
1996年アップルミステリー９月号「魔法使いはねぼけてる」（「世の中なまほう」所収）
1998年アップルミステリー３月号「魔法少女はウィンク」（「世の中なまほう」所収）
2001年月刊ドラゴンマガジン１０月号増刊「コゲたトンネル事件」（匠太郎とアンジェリケ）（「よみきりもの」８所収）
2006年月刊コミックビーム６月号「地下の黒砂糖事件」（匠太郎とアンジェリケ）（「コオニライフ」所収）
2008年月刊コミックビーム９月号「甘いフルーツのかおり事件」（匠太郎とアンジェリケ）（「北国楽園」所収）
2009年月刊コミックビーム９月号「みみだったり　みみだったり」（「たちこめるバラのかおり」所収）
ちまりまわるつ (ミッシィコミックス)
ばばろあえほん (ミッシィコミックス)
世の中なまほう (ミッシィコミックス)
よみきり▽もの 8 (ビームコミックス)
よみきりものの… コオニライフ (ビームコミックス)
よみきりものの… 北国楽園 (ビームコミックス)
よみきりものの… たちこめるバラのかおり (ビームコミックス)
「MAGI&ES」はそれとは別の魔法少女学園モノで、魔法の体系は似通ってるんだけど、ステッキは出てこない。何より、魔法の存在そのものが一般社会に対しては秘密になってるというのが違う。ハリポタみたいな世界ね。コミックフラッパーで連載してました。魔法の才能は高いんだけど、魔力の取り出し口が狭くってうまく使えない主人公が、イロイロと魔法な事件に巻き込まれる。アニメに絡んだ企画で原作付きだからか、話の密度が濃い。全３巻で、続編とか書けそうだけど企画がらみだから難しいかな。
MAGI×ES 魔法小路の少年少女 コミック 1-3巻セット (MFコミックス フラッパーシリーズ)
あと、全く別の魔法少女もので、ふわふわ娘のシリーズがある。魔法の体系とかは特に出てこない。ただ魔法使うと髪が静電気でパチパチいう。主人公は魔女で少女で、最初はファンタジーっぽいんだけど、時代がどんどん流れて行ってシリーズ３作目には現代になってる。でも主人公は成長しないで、少女のまんま。バンパイヤものだとよくあるけど、中身が老成してるってこともなくて、中身も子供のままです。
1983年アップルミステリー１１月号「恋するふわふわ娘」（「はたらきもの」所収）
1994年アップルミステリー９月号「ふわふわのパチパチ」（「はたらきもの」所収）
1995年アップルミステリー３月号「夜の月はふわふわ」（「はたらきもの」所収）
2009年月刊コミックビーム４月号「魔法使いの弟子」（「たちこめるバラのかおり」所収）
はたらきもの (ミッシィコミックス)
ミッシィコミックスとかは入手困難かなあ。