影待蛍太「GROUNDLESS」

架空の島国アリストリアでの内戦を舞台にした狙撃兵の物語。
アリストリアには、元からの島民のほか、支配者として入って来た大陸系、大陸系と共に流入した被征服者の遠民系の三民族と、さらにその混血系とが住んでいる。それぞれが政府系の島軍と解放軍、自警団に分かれて内戦状態となっている。つまりグチャグチャ。
主人公は解放軍に夫を殺された未亡人で、1クリップで戦場を支配する天才的な狙撃兵。1〜3巻は島軍の一部と結んだ解放軍と、都市自警団の戦闘。4〜6巻は島軍と解放軍が対峙する港町での、奇妙な均衡と市街戦。装備はどの勢力もあまりよくはない。島軍は戦車は持ってるが、空軍はない模様で、ヘリも登場してません。戦意や規律も、それほど高くはない。職業軍人と素人が混ざり合って、殺し合いをやってます。
WEBコミックを書籍化したもの、ということです。最近の日本のマンガを読み慣れた目には違和感のある絵ですが、慣れれば気にならなくなります。戦場の混乱した状況でも何がどうなってるかパッと分かるし、迫力もあるし、伝えたいことがしっかり伝わってくる画面構成で一気に読ませます。凄惨な戦場の描写と、妙に間の抜けたギャグの組み合わせは、「進撃の巨人」の雰囲気に近いかも。