なかせよしみ「でもくらの糸場」

でもくらの糸場4

でもくらの糸場4

大正時代の製糸工場女工のマンガ。富岡の製糸場が有名だけど、大正時代の日本経済を支えた絹糸の生産は圧倒的に木製の糸繰機で農村出の女工たちが繰り出していた。ということで、当時全国どこにでもあった普通の糸場で頑張っていた女工たちの話、バリバリ稼ぎたくてやってきたトーコと、飢饉の口減らしで出てきたマーコが新工として働きに来たけれど、新人はまず機械の前に座ることもできない。早く仕事を覚えて一人前になりたいと思うマーコが考えた計画とは。
コメディタッチだけど、しっかり取材してあって、それを話に組み込んで読ませる塩梅もうまい。作者はちょっとした豆知識の解説とか、そんな感じのマンガが多いけど、単に知識の羅列ではない、面白く読ませるテクがあって、糸場のシリーズはこれまでにない大ネタでまだ続いてるけど、先が楽しみ。
なお、これは12人の同じ顔した幼児が出てくる「でもくら」シリーズの姉妹編でもある。双子の姉妹が同時に双子を出産し、その四人がさらに同時に三つ子を産んだという設定で、同じ顔した四人の母親と12人の女の子が行進してる。生きてるだまし絵というか、ゾートロープみたいになってるのが面白い。「でもくらちゃん」は4巻出てる。

でもくらの糸場1

でもくらの糸場1

でもくらの糸場2

でもくらの糸場2

でもくらの糸場3

でもくらの糸場3

でもくらちゃん (リュウコミックス)

でもくらちゃん (リュウコミックス)

でもくらちゃん book2
でもくらちゃん book3
でもくらちゃん book4