宝石の国 #7 冬眠

宝石は陽の光の弱い冬の間は冬眠するそうです。その間の守りは金剛先生とアンタークチクサイト(南極石)。
でも今年のフォスは眠れない。見回りの初仕事で足がすくんで何もできなかったこともあるんだろうけど、何より大失態でも叱られないことが悔しい。冬眠はパスしてアンタークと仕事することになる。仕事は雪かきとかの日常業務と、流氷割り。巨大流氷が擦れる音が、ものすごい悲鳴みたいで冬眠の邪魔なので、粉砕するのだ。でもフォスにそんなダイナミックな仕事は無理。
しかし、冬仕事の危険は、別のところにあった。流氷が喋るのだ。流氷に意思はなく、ただ言葉に聞こえる音を出してるだけだと先生は言うけれど、ナメクジ女王の言葉がわかるフォスは、流氷の言葉もわかるらしい。そんなフォスにとって流氷の言葉は危険な悪魔の囁きだった。
流氷自体がどうこうと言うんじゃなくて、フォスの内面が反映されてるみたいで、自分が考えたくないこととかが出てきちゃう。