投資と融資のギャップ?

現代の投資理論では、「リスクとリターンが正相関する」というのが基本的なパラダイムです。期待リターンが高いほどリスクが高くなる、リスクに見合う期待リターンがなければ、妥当なリスクプレミアムの得られる水準まで現在価値が引き下げられる。という理屈です。リスクに対応するリスクプレミアムを値付けするのが資本市場であり、投資家は自身の許容できるリスクをとって見合いのリスクプレミアムを受け取る、これが投資になります。投資家が希望するどんなリスク水準であっても、複数の資産を組み合わせたポートフォリオで実現できる、というのがミソになっています。「投資と融資のギャップ」という議論では、リスク水準を選好することを批判しているようで、そのあたりがよくわかりません。
不景気になって高いリスクを許容できる資金が少なくなると、要求されるリスクプレミアムが高騰する、つまりは株価が下がるというようなことが起こる。だからといって、もっと高いリスクをとれとか、低いリスクプレミアムを甘受しろとか言えるものではないだろうし。
そもそもリスクを分割して社会全体で最適化させようというのが投資の社会的な意義というものなんだと思うのですが。