投資と融資のギャップ?

なんだか、用語の使い方とか、意味合いがずいぶん違うんで、細かく整理していかないとすれ違いまくりそうな。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1356/kuru/isramicBank.html
イスラム銀行についての文章を探すのがまず大変だったので、とりあえずアドレスをメモ。*1
わたしもイスラム銀行のことは詳しくないんですが、*2「利息」のかわりに「手数料」というだけだ、と聞いたことがあります。リンク先では、事業資金を融資の形で提供せず、共同事業者として出資すると説明されています。事業の利益から配当を得るかわりに、失敗した場合には出資金の範囲内で補填する、有限責任の出資者となるようです。アメリカの投資銀行に近いような気がします。
投資先の選定基準に社会理念や倫理的なコードを入れるかどうかは、投資方針とか運用哲学とかの問題であって、事業者にとっての調達手段、運用者にとっての投資対象(つまり株か債券か)の問題ではないでしょう。
そもそも「融資はFix Incomeだからリスクがない!」という前提自体が受け入れがたいので、このあたりから整理してかないと難しいと思います。
現在の日本のようなデフレ環境下では、マイナス金利が実現困難という技術的制約から、実質金利が高止まりするということもあって、状況が特殊なんで、まずは一般論から。一般論ということで、債券投資と融資とは区別しません。*3

資本主義は経済成長が前提です。なぜか、というのは簡単にいえば人口が増えていくからだと思います。
実物経済と金融経済とは表裏一体の同じものなので、実物経済が成長すると金融経済も成長します。実物経済の成長率が経済成長率なら、金融経済の成長率にあたるものが金利です。*4実物経済が成長を前提とすれば、金融経済は金利が前提になります。金利は時間の関数です。つまり現在の資金は金利と時間を掛け算すれば*5将来の資金になり、将来のキャッシュフロー金利と時間から現在価値が逆算できます。
金融の世界で「リスク」とは不確実なことをさします。将来のキャッシュフローは確定している。(しかしもしかしたらデフォルトするかもしれない)キャッシュフローの起こる将来時点から現在までの間の金利(=経済成長率)も正確に予測することはできない。つまり、将来のキャッシュフローが確定していても、その現在価値には不確実性が伴っています。つまり、リスクがあります。債券投資でただ一つ確実に言えることがあるとしたら、満期まで持ちきったときのリターンの上限が決まっているということだけです。債券投資の本質は、将来のキャッシュフローに値段をつけているということにあります。
とりあえず今日はここまで。

*1:なんでこのサイトはページごとに文字コードが違うんだろう?

*2:そういえば、あのBCCIってイスラム銀行でしたっけ。

*3:融資を証券化すれば債券だから。しかし「融資と投資のギャップ」という立論は証券化という視点を欠落させているのかもという懸念も

*4:正確には物価の問題が入ってくるんですが。フィッシャーの法則とか

*5:普通は複利計算します