茄子アンダルシアの夏

短くまとまってて面白かった。でもこれではほとんどジブリの自転車アニメで*1、なぜ黒田硫黄を原作にとりあげたのかという気もちょっとしました。自転車マニアの血が通い合っていればそれでいいってことなんかなあ。
宮崎駿の一番弟子の初監督作品ということで、妙に宮崎アニメっぽくなってたりしました。居酒屋の親父とか、花嫁のカルメンとかもう宮崎キャラだし、ペペさえなんか仕草がカリ城のルパンっぽかったりして。
アニメにCGを多用すると、カメラ(視点)の自由度が格段に高まる。細田守は特徴的に使って、浮遊感なりスケール感なり独特の演出をするけれど、高坂監督は(ジブリも)それを抑えて、観客に意識させないように作る。背景の多段引きとかは昔からあったけど、カメラが回り込んだり、引いてったときの背景の流れ方なんかは多分デジタルじゃないと無理なんだと思う。そうやってドンドン実写に近付いてってるわけなんだけど、一方で監督は「鼻の下に影はつけるな」と指令したそうで。*2あくまでアニメとしての絵に明らかにこだわっている。マトリックスのCGとか、ピクサーのアニメではない、なんていうか、森やすじ的な造形にこだわってるんだと思う。
それでカルメン島本須美とかだったらもっといいんだけど。いや、無理なのはわかってるけど。

*1:製作はマッドハウスで、ジブリではないです念の為

*2:鼻の下の影というと、パトレイバー劇場板か?