バジリスク #23 夢幻抱影

弦乃介と天膳の剣戟。突きに来た天膳の太刀を身体で捕らえて相手の動きを封じる捨て身の殺法。息をもつかせぬ迫真の演出でした。忍者の剣法としてトドメをさせずにスキを作った天膳の大振りはどうよ、という話はあるのだけれども。
生き残った弦乃介と朧、この二人だけでは勝負にならないわけで、まだまだ陽炎、阿福、そして天膳の身内に巣食う不死身の魔物と次々からんでくる。弦乃介と無理心中を図る陽炎に甦った朧の瞳術が炸裂、さらに生首飛ばされてもなお生き返ろうとする天膳の魔性を破幻の瞳でねじふせる。このカットバックの緊張感はすごい。
剣による斬り合い、から弦乃介をめぐる女の戦い、怨念の記憶を背負った魔物との睨み合い、そして弦乃介をかばっての阿福との主導権争いと位相の異なる戦いを重ねて話の中心は一気に朧タンへとうつる。奇怪な忍法による派手なアクションシーンも勿論見どころなんだけれども、その裏にそれぞれ自分の有利な状況、相手の不利な状況にもちこもうという策略があって、その駆け引きが緊張感をつくってる。で、クライマックスにはアクションには全く向いてない朧をもってきて、アクションによらない戦いを瞳の力で勝ち抜かせる。睨み合いにこれだけ緊張感と説得力をもたせるというのはこれまでのエピソードをうまく計算して積み重ねてこれたからでもある。
で、いよいよ半蔵立ち会いのもとでの弦乃介との勝負を承諾した朧。次回は最終回ですよ。こりゃGONZO史上まれに見る傑作なのではないか。